ニュース 食品 作成日:2016年3月28日_記事番号:T00063231
オリーブ油に安価な植物油や着色料を使用しながら、純粋なオリーブ油であるかのように不当表示して販売し、詐欺罪に問われた頂新国際集団傘下の食品大手、味全食品工業の前董事長、魏応充被告(59)に対し、一審の台北地方法院は24日、懲役4年の実刑判決を下した。また、法人として起訴された味全には食品衛生管理法違反で罰金1,550万台湾元(約5,400万円)を言い渡した。26日付新聞各紙が伝えた。
魏被告(左)。市民からは「刑が軽過ぎる」との声が上がった(中央社)
魏被告は「低品質の油を混ぜるよう指示した覚えはない」「人体には無害だ」などとして、全面無罪を主張したが、判決は「魏被告はコストを再優先し、着色剤の銅クロロフィルを混ぜた食用油を調達した上、不当表示で消費者の選択権を侵害した」として、有罪判決を言い渡した。担当裁判官は魏被告を「コスト削減しか考えていなかった」と批判した。
味全は2007年から生産委託先の頂新製油実業を通じて仕入れたパーム油の割合が98%の食用油をオリーブの写真入りのパッケージで販売するなどしていた。
「未必の故意」を認定
魏被告は味全が食用油の生産を委託した頂新製油実業の前董事長でもあり、彰化地方法院で行われた頂新製油の裁判では昨年11月、魏被告に無罪判決が出たことから、社会に大きな波紋を呼んだ。今回の裁判で一転有罪判決が出たのはなぜか。
魏被告は社内で調達コストの削減を重ねて指示し、社内の作業手順書を変更するなどして、結果的に大統長基から不純物を混合した食用油を調達する事態を招いた。この点について、判決は「不純物の混合を予見できながら、阻止しなかった」として、たとえ直接的な指示がなかったとしても、「未必の故意」に当たると判断した。一方、原料の98%がパーム油の食用油をオリーブ油であるかのように販売したケースでは、「直接的故意」があったとした。
魏被告「恥じるところなし」
判決について、魏被告は「事実認定に誤解がある。邪(よこしま)な心はなく、恥じるところもない」と反論のコメントを出した。
味全は生産委託先の頂新製油による違法行為について、賠償を求める方針を示すとともに、「大統長基の製品を使用した他社は被害者扱いされるのに、味全だけが起訴され、有罪にされた」と不満を表明した。
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