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OBI株インサイダー疑惑、拡大の様相


ニュース 医薬 作成日:2016年3月28日_記事番号:T00063232

OBI株インサイダー疑惑、拡大の様相

 中央研究院(中研院)の翁啓恵院長の娘、翁郁琇氏が台湾浩鼎生技(OBIファーマ)の株式をインサイダー取引で売り抜けていた疑いが濃いことが士林地方法院検察署の調べで分かった。また、インサイダー取引疑惑はOBI幹部にも波及した。26日付蘋果日報などが伝えた。

/date/2016/03/28/09obi_2.jpg金融監督管理委員会(金管会)の王儷玲主任委員は28日、必要に応じて検察が説明すると述べた(28日=中央社)

 調べによると、OBIが今年2月に乳がん新薬の臨床試験で当初見込んだ結果を得られなかったと発表するのに先立ち、翁郁琇氏は昨年11月からOBI株1万株以上を売却していた。

 翁郁琇氏は2012年に1株31台湾元(約108円)でOBI株300万株を取得し、15年3月の店頭公開までに106万7000株を売却し、多額の利益を上げたほか、臨床試験結果の発表前に1万株を売却したことで、約500万元の売却益を得ていたとみられる。翁郁琇氏はなおもOBI株を192万3,000株保有している。

 このほか、27日付蘋果日報によると、許友恭副董事長、黄秀美総経理らOBI幹部も臨床試験結果の発表前の3~4カ月にOBI株を大量売却していたことが分かった。このうち、許副董事長は妻や子ども名義の保有株式を10万3,000株、黄総経理は8万5,000株売却していた。OBIの幹部13人が臨床試験結果の発表前4カ月に売却した株式は合計66万7,000株に上るという。

 一方、臨床試験結果の発表前1週間で、OBI株の貸株残高が734万3,000株に達しており、臨床試験結果を事前に察知し、空売りを仕掛けた勢力が存在していたことを示唆している。

 検察当局は25日、OBIの黄総経理から臨床試験結果が発表前に外部に流出した可能性がないかどうか事情を聴き、黄総経理は情報漏れの可能性はないはずだと説明したもようだ。