ニュース 社会 作成日:2016年3月29日_記事番号:T00063245
28日午前11時ごろ、台北市内湖区環山路一段で、母親と駅に向かっていた女児(4)が背後から近づいてきた男に刃物で首を切られ、死亡した。男と面識はなかった。台湾ではここ数年、公共の場での無差別殺人事件が続いており、白昼の繁華街で子どもを狙った通り魔殺人は社会に大きな衝撃を与えた。29日付蘋果日報などが報じた。
王容疑者。残虐な犯行について全く反省の色を見せていないという(28日=中央社)
現場は台北MRT(都市交通システム)文湖線「西湖駅」から北西に約100メートルの繁華街の路上。女児はバランスバイク(ペダルなし自転車)に乗って、ベビーカーを押した母親と西湖駅に、祖父に預けられていた弟と妹を迎えにいく途中だった。
警察などによると、女児のバランスバイクの前輪が歩道の段差に引っかかった際、女児の1メートル後を歩いていた母親の背後から男が突然飛び出してきた。母親は、男が娘を手伝うつもりだと思い、「ありがとう。でも結構です」と声を掛けたが、男は骨切り包丁で女児の首を切りつけた。母親は「助けて」と叫びながら男にしがみついたが、男は女児の首が切断するまで12回にわたって切り続けた。
その後、男は母親の叫び声を聞いた近くの店主らに取り押さえられ、現場に駆け付けた警察官に現行犯逮捕された。
普段から奇怪な行動
逮捕されたのは内湖区在住の無職、王景玉容疑者(33)。王容疑者は警察の取り調べに対し犯行の動機について、自身は中国古代の聖君であり、四川省の女子を殺せば血統を後世に伝えられるなどと供述しているという。
王容疑者は2006年に覚せい剤使用で逮捕されたことがある。2年前に同居の両親に暴力を振るったほか、半年前から隣家のドアをたたいて嫌がらせをしたり、公園で紙を燃やしたりと奇怪な行動がみられ、周辺住民から危険人物扱いされていた。病院で精神鑑定を受けたことはない。
警察の調べによると、王容疑者は当日の早朝殺人を思い立ち、午前9時ごろ量販店で骨切り包丁を購入した。犯行の約1時間前に現場近くの西湖国小(小学校)付近を徘徊(はいかい)し、柵を乗り越えようとしているところが目撃されている。警察は、王容疑者はもともと校内で犯行に及ぶ考えだったが、目撃されたことに気付き、その場を離れ、女児殺害に及んだとみている。
無差別殺人、過去7年で6件
台湾では、14年5月に台北MRT板南線の車内で起きた無差別殺人事件、15年5月に台北市北投区の小学校で起きた女児殺害事件など、過去7年間に起きた無差別殺人事件6件で9人が死亡している。しかし、裁判では精神鑑定の結果、精神障害を理由に犯人は死刑でなく無期懲役を言い渡されることが多い。今回の事件でも、王容疑者の刑事責任能力の有無が今後の焦点となる見通しだ。
国民党の王育敏立法委員は、12歳以下の子どもを故意に殺害した犯人に死刑か無期懲役かのいずれかを科す刑法改正案を提出した。立法院司法・法制委員会は議事日程を変更して、31日に同改正案を審議する予定だ。
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