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金門に「歌う道路」、時速50キロが最適


ニュース 社会 作成日:2016年3月30日_記事番号:T00063292

金門に「歌う道路」、時速50キロが最適

 あるドライバーが2カ月ほど前、金門県の道路を車で走行していた際、カーステレオは付けておらず、周囲に音楽を流すような施設もないにもかかわらず、ベートーベンの「歓喜の歌」の旋律がかすかに聞こえてきた。実はこれ、特殊な細工を施すことで道路と車のタイヤの摩擦音を音楽に聞こえるようにする技術を実験的に導入した台湾初の「歌う道路」だ。

/date/2016/03/30/19melody_2.jpg観光スポットになると期待されている(29日=中央社)

 「歌う道路」はもともとデンマークで、居眠り運転防止のために発案された技術で、自動車が路面の状況に応じて異なる摩擦音を発する特性を利用し、舗装道路に切れ込みを施して一定の速度で走行すれば曲が聞こえるようにしたもの。日本でも「メロディーロード」と呼ばれ各地に導入されている。

 ただ今回、大金門島北部の古寧頭地区へ向かう頂林路に導入された「歌う道路」は路面に切れ込みを入れるのではなく、一般家庭でも使用される滑り止めテープを採用。幅1センチメートル、長さ9センチほどのテープを車のタイヤが接触する辺りに並べ、その間隔を調節することでドライバーに「歓喜の歌」が聞こえるようにした。

 ところがこのテープが最近、大雨で流されてしまったため、台湾の有名な歌謡曲「橄欖樹」に曲を変更して再度テープを敷き直したそうだが、この曲は「私がどこからやって来たか聞かないで」という歌詞で始まることもあり、知らない人が夜中にここを車で通った場合、震え上がるのではないかと心配する声もある。

 なお、この「歌う道路」で曲を聞くのに最も適した走行速度は50キロメートルとされるため、全土に導入が広がれば、安全運転が増え交通事故の減少につながる可能性もありそうだ。