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ごみ収集車運転手の筆記試験、「難問過ぎる」と話題に


ニュース 社会 作成日:2016年4月6日_記事番号:T00063379

ごみ収集車運転手の筆記試験、「難問過ぎる」と話題に

 「空気中に占める二酸化炭素の割合は?」「バーゼル条約の内容は?」──実はこれ、台北市のごみ収集車運転手採用のための筆記試験で出された問題で、あまりの難しさが話題となっている上、業務との関連性のなさに受験者から不満の声も上がっている。

 台北市でごみ収集車の運転手になるには路上運転試験、体力測定のほか、筆記試験に合格する必要があり、筆記試験には同市就業服務処が編さんした問題データベース(約1,000問)の中から出題される。

 しかしそのデータベースには上記の設問のほかにも、「われわれが住む場所は大気圏のどの圏?」「人間の体重が1キログラム増加するのに草食動物の肉を10キロ食べる必要があるが、草食動物の体重が10キロ増加するのに何キロの植物を食べる必要があるか?」など幅広い分野にわたる難問がずらりと並ぶ。

 ちなみに聯合報の記者がデータベースの中から5問を選び、大学の副教授に出題してみたところ、1問も正解できなかったそうで、この副教授は「公務員の昇任試験よりも難しい。台北市のごみ収集車運転手は本当に教養が高い」と冗談交じりのコメントをした上で、「業務に関連のない問題で苦労させるより、運転技能や環境保護に関する知識を重視すべきだ」と提言した。

 また李新去・台北市議も、交通事故を起こさない運転やごみの運搬に関する注意事項といった専門分野に関する内容に特化し、学歴に左右されない形式に改めるべきと指摘している。

 一方、台北市環境保護局の盧世昌副局長は、「かつての採用者は筆記試験でほぼ満点を取っている」と反論。筆記試験をなくせば、学歴の高い市民や文系出身者、女性に不利に働くとの理由から2013年に専門家などを招いて問題データベースを編さんしたそうだ。

 ただ市政府もデータベースの内容には問題ありと認識しているようで、業務との関連性が低い問題や難し過ぎる問題を削除するなど内容を毎年見直しているという。