ニュース 社会 作成日:2016年4月7日_記事番号:T00063408
苗栗県、屏東県、台南市、花蓮県といった台湾の農業が盛んな県市では近年、水田をキャンパスに見立て、色の異なるさまざまな品種の稲を植えることで巨大な絵画や文字を浮かび上がらせる「田んぼアート」がブームとなっている。実際に自分の目で見ようと現地に大勢の観光客が訪れるようになっており、地元自治体では経済効果への期待も膨らんでいる。
屏東県の田んぼには、長栄航空(エバー航空)のイメージキャラクターや恒春の古城が描き出された(リリースより)
台湾で田んぼアートが始まったのは、世界貿易機関(WTO)加盟による台湾農業への影響が懸念されていた14年前の苗栗県。当時、産業高度化の一環として田んぼアートが取り入れられ、同県最大の稲作地帯、苑裡鎮の農会(農協)が専門チームを立ち上げ、新品種の紫色の苗を使った作品を完成させた。
また、屏東県政府も昨年、田んぼアートの国際イベント「国際彩稲芸術節」を開催。メッセンジャーアプリ「LINE(ライン)」の人気キャラクターを描いた作品が話題を呼び、延べ66万人もの観光客を集めることに成功した。また同県では今年の春節(旧正月)シーズンに開催された「熱帯農業博覧会」でも人形劇「布袋戯」の人気キャラクターを使った田んぼアートを披露し、1カ月で延べ140万人の来場者を呼び込み、数億台湾元に上る経済効果を生み出したとされる。
さらなる効果に期待を寄せる同県では今月1日、田んぼアートに地元の農作物を使った料理やキャンプなどのアウトドア活動を組み合わせたイベント「彩稲生活節」が開幕。これをきっかけに稲作産業の高度化を推し進めたい考えだ。
一方、台南市後壁区でも4年前から、周辺地域の農会が共同で田んぼアートとコメの販売を組み合わせたイベントを開催。昨年は道教の神様「三太子」を描いた田んぼアートが話題を呼び、約1カ月で2万3,000人を集め、コメの販売を含めた経済効果は600万元に上った。
最近では稲田だけでなく麦畑でも同様のアート作品が生み出されており、台湾の田園風景の楽しみ方の幅が広がりそうだ。
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