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巨大ブラックホール発見、研究チームのリーダーは台湾女性


ニュース 社会 作成日:2016年4月8日_記事番号:T00063436

巨大ブラックホール発見、研究チームのリーダーは台湾女性

 米航空宇宙局(NASA)は6日、カリフォルニア大学などの研究チームが太陽の170億倍もの質量を持つ超大型ブラックホールを発見したと発表し、話題となったが、この研究チームを率いているのが台湾出身の女性天文学者であることが分かり、注目を集めている。

/date/2016/04/08/18kakomi_2.jpg「ブラックホールの研究はそれ自体がブラックホール」と語る馬中珮教授。好奇心と不断の努力で成果を出した(7日=中央社)

 今回、巨大ブラックホールを発見したカリフォルニア大学バークレー校の研究チームを率いる馬中珮教授(49)は、著名な新聞学者の父、馬驥伸氏と新聞記者の母、黄肇珩氏との間に台北市で生まれた。小さなころから星を見るのが好きでよく天文台に出かけていたそうで、12~13歳になると学校で学ぶ知識では満足できず、自分で本を探して読むようになったという。

 彼女はまた、音楽の才能にも恵まれていたようで、台北市立第一女子高級中学(北一女)在学中にバイオリンの全国コンクールで優勝している。バイオリンの教師は馬教授をウィーンに留学させたいと考えたが、彼女はこれを拒否し、天文学者になる夢を譲らなかった。

 そして高校3年生の時に米マサチューセッツ工科大学(MIT)に飛び級入学し、ここで物理学の博士号を取得。研究員としてカリフォルニア工科大学に勤めた後、ペンシルベニア大学天文物理学部の助教授、カリフォルニア大学バークレー校の教授へとキャリアを高めていった。

 そんな中、2年ほど前に馬教授は巨大な銀河団における暗黒物質などの質量を観測する研究チームのリーダーとなり、解像度の低い望遠鏡で巨大ブラックホールを発見。その後、ハッブル宇宙望遠鏡で観測するなど検証を進め、このほど英国の科学雑誌「ネイチャー」に成果を発表した。

 なお従来、ブラックホールは大きな銀河が集まる宇宙の「大都会」というべき空間で多く見つかっているが、馬教授は今回、発見された巨大ブラックホールについて「『へき地』のようなところで見つかった」と表現。これまでの常識をくつがえす発見に「今後はこのようなところにブラックホールが形成された理由について研究を進める」と意欲を語った。