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台湾人電話詐欺グループ、世界5大陸で暗躍


ニュース 社会 作成日:2016年4月14日_記事番号:T00063550

台湾人電話詐欺グループ、世界5大陸で暗躍

 ケニアで発生した華人グループによる電話詐欺事件を発端とし、被告となった台湾人の身柄を中国政府が拘束して国内に移送したことが問題となっている一方で、同事件により「台湾人詐欺グループはアフリカにまで犯行の手を広げているのか」と驚きの声も上がっている。実際、台湾人グループは独自に編み出した詐欺手法を基に、世界5大陸で悪事を展開しているようだ。

 警察関係者によると、台湾の詐欺グループの手口はいずれも人間の欲につけ込むというもので、もともとは偽物の金塊を巧みな話術で売り付けるという手段で市民をだましていたが、その後、電話で宝くじなどに絡むもうけ話を持ち掛ける手法に変わっていった。さらに携帯電話の普及に伴い、台湾全土に犯行の対象を広げた詐欺グループは、2004年ごろから台湾の通信信号が受信可能な中国沿岸部のアモイ(福建省)に通信設備を設置。ここから携帯電話を使って台湾全土に詐欺電話をかけるようになった。

 台湾市民の誰もが一度は詐欺電話を受けたことがあるというほどの状況となったが、当時は中台関係が悪化していたため、台湾の警察は中国を拠点に詐欺行為を働くこれらグループを検挙することができず、野放し同然となっていた。

 しかし09年、中台が犯罪捜査に関する協力協定を結んだことで中国に設置されていた通信設備はフィリピンやインドネシアといった東南アジアに移設されるようになった。その後、台湾の詐欺グループは中国人をメンバーに引き入れて、経済成長で潤う中国の市民を詐欺の対象とするようになったほか、インターネットの普及を背景に日本や韓国といったアジア諸国に加え、欧州、アフリカ、オーストラリア、米大陸にも通信設備を設置し、「仕事場」を世界中に広げていった。

 なお警察によると、こうした詐欺行為には、通信設備、電話での話術、現金の引き出し役が必須となる。中でも重要となる通信設備の設置には、その重要技術を一手に握っている台湾の詐欺グループが必ず関わっているとされ、詐欺犯罪の世界でも台湾の技術が大いに「貢献」しているようだ。