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台塑集団、第6ナフサ5期計画を提出


ニュース 石油・化学 作成日:2008年3月25日_記事番号:T00006356

台塑集団、第6ナフサ5期計画を提出

 
 台塑集団(台湾プラスチックグループ)は24日、「第6ナフサプラント第5期拡張計画」を経済部に提出した。投資額は2,300億台湾元(約7,700億円)で、日産15万バレルの製油所1棟の増設など、工場39棟を拡張・増設することになる。これにより、年産能力は、石油化学製品で1,200万トン以上、ナフサ分解で3,100万トンまで引き上げられる。25日付工商時報などが報じた。
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投資額、従来計画から9割増

 投資額は従来予定していた1,200億元から9割も増えた。物価高騰による工場建設コストの増加のほか、製造プロセスの効率化や、精製過程で発生する廃棄物の再利用に取り組むことが主な理由だ。今回の投資により、第6ナフサプラントの1期から5期までの全体の投資額は8,500億元以上に増加する。

 計画では、工場24棟を拡張、15棟を増設する。集団傘下の台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)の日産能力は70万バレルに達し、台湾中油を抜いて域内首位、世界6位に上昇する見通しだ。

 計画提出は総統選挙の直後となったが、経済部では偶然だと説明している。
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用水量と大気汚染問題が再浮上

 同計画は、行政院環境保護署の環境影響評価(環境アセスメント)審査通過に向け、工業用水量や大気汚染物質の問題に再度向き合うことになる。 第6ナフサプラントは昨年末、工業用水の使用許容量を、従来の25万7,000トンから34万5,500トンへの引き上げを環境保護署に認められたばかり。台塑集団は、第5期拡張計画によって用水量は現在より4割以上増え、1日当たりで15万2,000トン増加すると試算しており、新たな折衝が必要となる。

 また、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)、総浮遊粒子状物質(TSP)などの大気汚染物質量が、第6ナフサプラントのある雲林離島工業区で2割以上増えて規制基準値を超える見通しで、台塑集団にとっては頭の痛いところだ。

 経済部は、同集団の削減目標や手法などを見た上で、同部としてどのような協力ができるかを含めて、今後の対応を決めていきたいとしている。同集団は、環境影響調査報告書をまだ提出していないため、第5期拡張計画の実際の着工はまだ先となりそうだ。