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安平古堡がピカピカに、初の洗浄作業に着手


ニュース 社会 作成日:2016年4月15日_記事番号:T00063576

安平古堡がピカピカに、初の洗浄作業に着手

 オランダ統治時代の1624年に台南に建設された台湾最古の城堡跡「安平古堡」で14日、400年の歴史で初めてとなる洗浄作業が始まった。15日間をかけて城壁や階段部分のレンガが洗浄され、建設当時のような姿を取り戻す予定だ。

 安平古堡は完成当初の名称をゼーランディア城といい、その後、中国大陸を追われた明の遺臣・鄭成功が台南一帯を支配し、同城を居城とした際に「安平城」と改められた。同城は清朝時代にイギリス軍艦の攻撃を受けて甚大な被害を受けて廃墟と化し、日本統治時代に至って整地され、宿舎が建設された。

 このため現在、観光客に「安平古堡」として親しまれる高台状の施設は日本時代に建設されたもので、400年前の「元ゼーランディア城」はわずかな城壁部分が残るのみとなっている。

 今回、洗浄されるのは日本時代に作られた高台部分の壁や階段で、最も古い城壁部分は牡蠣(かき)の殻や泥、もち米などを混ぜて作られたレンガでできており、作業が難しいことから対象に含まれていない。

 ただ日本時代に作られた部分も古いものは約100年が経過しており、レンガの色が変色しているほか、コケや地衣類が付着しており、コケが分泌する酸性物質によって傷みが進行している。

 このため台南市政府は、ブラジル・リオデジャネイロの巨大なキリスト像、シンガポールのマーライオン、東京・日本橋など世界の歴史的建造物や彫刻物の洗浄を手掛けているドイツの洗浄機メーカー、ケルヒャー社の協力の下、洗浄作業を進めることを決めた。

 同社の洗浄作業は洗剤を一切使わず、高圧の水と150度の蒸気で汚れやコケなどを除去する手法を用いており、14日の作業開始式典で行われたテスト作業では、頼清徳市長が見守る中、古いレンガがみるみるうちにまるで新品のような姿に生まれ変わった。

 作業は今月29日に完了する予定で、それ以降に同地を訪れる観光客は「古堡」という名称に違和感を抱くことになるかもしれない。