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作成日:2008年3月26日_記事番号:T00006362
恐怖の民宿、保険金掛けホームレス殺害
台北県淡水鎮で24日、ホームレスの男性に6,200万台湾元(約2億円)もの生命保険を掛けた上で殺害し保険金をだまし取ろうとした、民宿経営者を中心とする詐欺グループが逮捕された。
刑事警察局によると、淡水で民宿「老董的家」を経営する李憲璋容疑者(38)は、「住み込み、食事付き、年収20万元」の民宿アルバイトがあると偽ってホームレスを集め、彼らを民宿屋上のわずか5坪の狭い部屋に1~2年にわたって軟禁。犯罪に利用していたという。
李容疑者は昨年11月20日、女友達で共犯の連上瑩(30)容疑者と、小児まひを患うホームレスの梁乾昌さん(46)を偽装結婚させた。李容疑者は梁さんに対し保険業者3社を通じ計6,200万元の保険を掛けた後、「社員旅行」と称して共犯の楊明璋容疑者、宋進財容疑者の2人と共に中国に行かせた。梁さんは12月16日、旅行先の安徽省黄山でがけから「誤って」転落し死亡。その後、梁さんの「妻」である連容疑者が、死亡保険金の受け取りを保険業者に請求していた。
事件が発覚したのは、保険金詐欺を疑った保険業者から連絡を受けた梁さんの父親が、今年1月初め警察に通報したため。父親は梁さんが結婚したことも、ましてや死亡したことも全く知らなかったという。
刑事警察局は犯人逮捕と同時に、民宿の屋上に監禁されていた男性4人、女性1人、計5人のホームレスを救出したが、既に4人のホームレスが行方不明になっていることが判明。刑事警察局は、この詐欺グループに殺害されたのではないかとみて捜査を進めている。