富邦金融控股傘下の生命保険大手、富邦人寿保険は18日、100％出資の香港子会社、香港富邦人寿保険が正式に営業を開始した。香港で営業活動を行う台湾の生命保険会社は同社が初めて。19日付経済日報が報じた。
顧客ターゲットは海外への資産分散に関心のある中国の資産家で、満期の短い人民元建ての貯蓄型保険を販売する方針だ。昨年の人民元下落後、中国人による香港での保険商品購入がブームとなり、香港保険業監理処の統計によると、昨年の新規契約による保険料収入1,309億香港ドル（約１兆8,400万円）のうち、24.2％に当たる316億香港ドルは中国人が購入したものだ。これにより、香港保険市場は成熟市場でありながら昨年は２桁成長を遂げた。
富邦人寿は、香港での保険商品販売は銀行の窓口を通じてのみ行う。香港では外務員の給料が高く、物件家賃も高いためで、外務員を使った場合、赤字に陥る懸念があるためだ。
富邦人寿は2011年にベトナム子会社を設立、15年には韓国・現代ライフ生命保険に48％の出資を行っており、今回の香港子会社の設立によってアジア展開がさらに充実する。
