ニュース 社会 作成日:2016年4月19日_記事番号:T00063647
数年前に500万台湾元(約1,700万円)を騙し取られる被害に遭った女性の息子が、警察からは「金を取り戻すのは難しい」と言われながら、検挙された詐欺グループのメンバー16人を相次いで提訴し、6年がかりでほぼ全額を取り戻すことに成功した。
裁判を起こした男性の母親は2010年、検察官を名乗る人物から「あなたの銀行口座が犯罪者によってマネーロンダリングに悪用されている」と告げられ、責任を問われたくなければ口座の金をその人物に引き渡さなければならないとの説明を受けた。
男性によると、さらにその人物は母親に対し、金を口座から引き出す際は警察の同行を求めるようアドバイスして安心させつつ、「捜査状況は口外してはならない」と念を押し、警察官や銀行員から質問を受けた場合は「自動車か家を買うため」と説明するようにと指導したという。
素直な性格の母親は「検察官」の言葉を信じこみ、4回にわたり現金を引き出して相手に渡してしまい、相手が詐欺グループのメンバーだと気付いた時には既に合計500万元以上を騙し取られていた。
その後、1カ月ほどして詐欺グループのメンバーは相次いで逮捕されたが、騙されたことを家族や知人から責められた母親は、自殺してしまうのではないかと息子が心配になるほど落ち込み、ふさぎこんでしまった。
そこで息子は、母親が騙し取られた金を取り戻そうと決意。詐欺グループのメンバーを刑事告訴すると同時に民事訴訟も起こした。しかし、相手は奪った金を使い切っていた上、犯罪者でまともな職業にも就いていないため、金を返還する能力があるはずもなく、すぐに金が戻って来る見込みはなかった。
また犯人が刑罰を受けた後、職に就いて毎月の報酬の中から返還するよう求めた場合、全額を取り戻すのに何年かかるか分からない。そこで息子は、詐欺グループのメンバーのうち未成年者の親権者や後見人といった「法定代理人」も提訴し、彼らが保有する不動産の差し押さえを要求。これを競売にかけて賠償に当てさせた。
この6年間、有給休暇を全て裁判所通いに費やし、執念で被害額のほぼ全額を奪い返した息子は、「あきらめなければ金を取り戻すチャンスはある」と詐欺被害者にアドバイスするとともに、政府に被害者支援に力を入れるよう求めている。
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