ニュース 電子 作成日:2016年4月25日_記事番号:T00063758
市場観測によると、アップルは第1四半期、iPhoneの販売台数が初めて前年割れに陥り、利益を確保するためにサプライチェーン(供給網)に対して最大3割の値下げを要求しているようだ。サプライチェーンには台湾積体電路製造(TSMC)、大立光電(ラーガン・プレシジョン)、宸鴻集団(TPKホールディング)、鴻海精密工業など台湾メーカーが数多く含まれる。しかも中国の紅色供給網(レッドサプライチェーン)が力を付けており、台湾各社は出荷量への押し下げ圧力に直面しそうだ。25日付経済日報が報じた。
アップルの台湾サプライチェーンは、半導体が▽TSMC▽サムスン電子▽クアルコム▽ルネサスエレクトロニクス──、光学レンズが▽ラーガン▽玉晶光電(ジニアス・エレクトロニック・オプティカル、GSEO)──。IC基板が華通電脳(コンペック・マニュファクチュアリング)、フレキシブル基板が台郡科技(フレキシウム・インターコネクト)、臻鼎科技控股(ZDT)、タッチパネルが業成控股(ゼネラル・インターフェース・ソリューション、GIS)、TPK。携帯電話の組み立ては鴻海、和碩聯合科技(ペガトロン)など。
レッドサプライチェーンでは、中国のタッチパネル最大手、深圳欧菲光科技(深圳Oフィルムテック)が早くもTPKからアップル受注を奪い取った。中国の光学レンズメーカー、舜宇光学科技(サニー・オプティカル・テクノロジー)はローエンドながら、既に大手以外から受注しており、今後はジニアスのiPhoneフロントカメラレンズ受注を奪い、ラーガンのライバルに浮上する可能性がある。中国のフレキシブル基板最大手、蘇州東山精密製造(DSBJ)は昨年、米国のマルチファインライン・エレクトロニクス(MFLX)を6億1,000万米ドルで買収すると発表している。アップルなど大手ブランドからの受注が目的とみられる。
TSMC、スマホ予測を下方修正
アップルは今週26日(米国東部時間)、決算を発表する予定だ。証券会社のアナリストは、iPhoneの第1四半期販売台数は4,600万~5,100万台と予測し、前年同期6,100万台を下回ったと見ている。米ドル高もあり、新機種iPhone6sとiPhone6sプラスへの購買意欲が各地で弱まり、売上高と利益に打撃を与えたと推測している。
モルガン・スタンレー証券は、アップルの第2四半期販売台数予測を3,900万台へと従来予測の4,500万台から引き下げた。世界経済の見通しが悪い中、新製品発表前の端境期に当たること、iPhoneSE、アップルウオッチ販売が予想ほど良くないことが要因だ。
アップルのプロセッサー最大のファウンドリー、TSMCは先日の業績説明会で、今年のハイエンドのスマホ成長率予測を7%へと従来の8%から下方修正した。アップルのスマホ販売の減速を裏付けた格好だ。
非アップル勢が反撃
iPhone販売の減速を受け、昨年アップルに市場シェアを奪われたスマホ大手が今年、反撃を図る。LGエレクトロニクスは先日、モジュール交換で機能拡張が可能な旗艦機種「LG5G」を発売した。人気のため韓国工場は24時間体制で生産している。サムスンは「ギャラクシーS7」販売が予想以上に好調だ。宏達国際電子(HTC)は29日、米国で「HTC10」をまずベライゾン・コミュニケーションズから発売する。
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