ニュース 社会 作成日:2016年4月27日_記事番号:T00063836
南投県や花蓮県ではこの時期、田畑にまく肥料として未発酵の鶏糞が多く使用されており、この肥料を産卵場所とするハエが毎年大量発生し、ホテルやレストラン、フルーツ店を襲撃する。連日対策に追われる業者からは「農業が観光業を殺す」と懸念する声も上がっている。
南投県環境保護局によると、毎年清明節(4月5日頃)が過ぎた後、ドラゴンフルーツ畑などに肥料をまく時期が到来するが、県内農家の多くがハエが産卵場所として好む未発酵の鶏糞「生鶏糞」を使用しているという。
このため県内の市場の露天などではこの時期、ハエ取り用の粘着シート一面に「獲物」がびっしり張り付く状況となる。またある市民によると、かつて白い車のボンネット一面にハエがたかり、黒い車に変わっていたこともあったという。
ハエ被害が深刻化する中、同県政府はハエが卵を産み付けにくい発酵させた鶏糞の販売に力を入れているが、生鶏糞は30キログラム当たり100台湾元余りと発酵鶏糞の3分の1の価格で購入できる上、効力が半年間も持続することから農家に根強く愛用されている。
また、県政府は生鶏糞を販売した業者に対する罰則を設けてはいるが、農家の反発を恐れて実際には罰していないため、一向にハエの発生が抑えられない状況だ。
一方、スイカの名産地、花蓮県では2年前、県政府が生鶏糞の使用を禁止し、発酵鶏糞に切り替えた農家に補助金を支給するなど「ハエ撲滅作戦」に取り組んでいるが、補助金を申請する農家は皆無で、相変わらず観光業者などがハエに悩まさせられる状況が続いている。
これに対し、宜蘭県では生鶏糞がハエの大量発生に加え、水源の汚染につながっている状況を重く見て、2011年に同肥料の使用を禁止。県内への生鶏糞の搬入を厳しく取り締まった結果、ハエの発生量が10分の1に抑えられたほか、水道水に含まれる大腸菌も大幅に減少したという。
さらに行政院農業委員会(農委会)によると、生鶏糞は病原菌の温床となり、伝染病予防を妨げる要因にもなり得るという。観光業のみならず市民の健康にも危険を及ぼすならば、ある程度強制力を持った規制が必要と言えそうだ。
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