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記事番号:T00006386
2008年3月26日0:00
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広がる南北格差、新政権の課題に
 
 馬英九新政権が取り組むべき課題の一つに、南北の経済格差是正がある。民進党政権は交通インフラの整備を中心に格差是正に取り組んだが、成果が上がったとは言い難い。「早急に解決しなければ南北対立につながる」(尹啓銘元経済部次長)という意見もあり、地域的特色を生かした地方への投資が切実に求められているようだ。26日付工商時報が報じた。
 
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 国泰建設の統計によると、昨年第4四半期、台北市の不動産取引価格は台南・高雄市の約5倍に達した。しかも、台北市信義区では1坪120万台湾元(約400万円)の高級マンションがあっという間に売り切れる。一方、屏東市内の住宅価格は1坪平均わずか7万~10万元で、それでも買う人は少ない。

 また、行政院主計処の統計によると、1世帯当たりの年平均可処分所得は、台北市の126万元に対し、高雄県ではわずか68万元となっている。すなわち、高雄県では貯蓄、生活費、子供の教育費に回せる費用が台北市のわずか54%ということになる。教育程度の面からみると、台北市では高卒以上が人口の83%を占めるのに対し、雲林、嘉義、屏東県ではわずか43~47%となってる。
 
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 台湾大学経済学部の陳博志教授は南北格差を、「政府が産業リソースを北部に集中させた結果」と分析する。電子産業の発展を国家目標に定め、新竹科学工業園区(竹科)を設立したことをきっかけに、就学・就業人口の北部移動を引き起こし、南北不動産価格の格差につながったという。

インフラだけではなく集積効果を
 
 新政権がいかに南北格差の是正を図るべきかについて、陳教授は、「産業集積効果があって初めて解決に向かう」と指摘し、尹元経済部次長も「工業園区や産業園区を作ればいいというのではなく、各地方の特色との相性、生活機能、レジャー施設、これらがそろってこそ人材をとどめることができ、産業の進出が可能になる」と話す。

 民進党政権も南北格差問題を重視し、中南部の交通インフラ整備や産業発展に力を入れ、屏東県だけでも南部第二高速道路、空港、バイオ園区などの建設を行った。しかし、これらは現地住民の生活を改善することはなく、外部から来た人間を潤しただけだと工商時報は指摘している。

地方に適した産業を
 
 屏東県九如郷の許重慶郷長によると、中南部住民の大多数は農民で、失業しても実態が把握しにくく、実際の状況は数字に表れるよりも深刻だという。許郷長は、「農業技術の革新により、農民が農業によって生活することができれば、出稼ぎに出ることもなく、他の労働者の仕事を奪うこともない」と話す。尹前経済部長も、雲林県以南で従来型農業にハイテク技術の要素を注入し、南部の新興産業を形成する「農業による新黄金コリドーの創出」を提言する。

 また、中央研究院経済所の彭信坤所長は、「南部は観光産業に非常に適しており、観光をさらに発展させるべきだ」と語っている。次期国民党政権に対しては、どのような産業がどこに適しているかを検討して計画を立てるべきだという考えを示した。
 
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