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SPIL董事長、「半導体景気は下半期に回復」


ニュース 電子 作成日:2016年4月29日_記事番号:T00063874

SPIL董事長、「半導体景気は下半期に回復」

 景気予測に定評がある半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)大手、矽品精密工業(SPIL)の林文伯(バウ・リン)董事長は28日、半導体景気は既に谷底が見えており、第2四半期から回復し、下半期はやや高い成長が見込めると語った。スマートフォンが依然成長のけん引役で、▽SSD(ソリッドステートドライブ)▽セットトップボックス(STB)▽指紋認証センサー▽安全監視システム──も応用先として期待でき、今年の半導体パッケージング業界は前年比7~8%成長すると予測した。29日付工商時報などが報じた。

/date/2016/04/29/00spil_2.jpgSPILは2年ぶりに業績説明会を開催し、林董事長が自ら質問に答えた(28日=中央社) 

 林董事長は、半導体サプライチェーンの在庫調整が終わり、健全な在庫水準まで低下した上、最近は最終製品の需要がやや増え、在庫補充の動きがあり、多くの生産ラインがフル稼働だと語った。

 第2四半期はアップル以外の携帯電話の成長が強まり、下半期はアップルの新製品発売が市場成長を促すと予測した。パソコンとタブレット端末は今年も落ち込むと述べた。

 林董事長はまた、半導体市場の成長が鈍化する中でも、SSDの需要は強く、ノートPCへの搭載率が昨年の27%から今年は43%まで上昇すると予測した。テレビのデジタル化が進み、デジタル放送のSTBへの買い替え需要がある。中国の携帯電話メーカーによる指紋認証センサー採用も増えている。こうした新製品向けの半導体需要で、設備稼働率が上昇していると説明した。

 次なる成長のけん引役としては、バーチャルリアリティー(仮想現実、VR)、カーエレクトロニクス(車載用)、IoT(モノのインターネット)を挙げた。

Q1黒字転換

 同社が28日発表した第1四半期の連結売上高は192億9,900万台湾元(約650億円)で前期比7.1%減、前年同期比7.2%減だった。粗利益率は20.6%で前期比5.6ポイント下落、前年同期比5.6ポイント下落した。親会社株主に帰属する純利益は16億400万元で前期(純損失2億1,200万元)から黒字転換したが、前年同期比では38.6%の大幅減益だった。

/date/2016/04/29/SPIL_2.jpg

 第1四半期の構成比は▽通信用、66%▽消費者向け電子製品用、22%▽PC用、10%▽メモリー、2%──だった。パッケージング技術別では、バンピングとフリップチップ(FC)が売上高の42%を占め、従来型のリードフレームは17%だった。

【表】