蔡英文次期総統は30日、次期内閣の閣僚ら42人を集めて台北市陽明山で１泊２日の合宿を行い、開幕式のあいさつで「８年間積み上げた実績も、８秒の失言で失う」と述べ、失言で問題を起こさないよう言動への注意を強く求めた。１日付蘋果日報が報じた。
蔡次期総統は、新政権への期待感を損なわないように次期閣僚らに慎重さを求めた（30日＝中央社）
蔡英文政権で政務委員への就任が決定している張景森氏が先日、台北市士林区で都市再開発のために家屋を強制撤去された住民の抗議活動を「史上最もくだらない社会運動」と指摘して批判を浴びるなど、次期閣僚に早くも失言が相次いでいる。蔡次期総統は、「謙虚さを忘れずに、社会と歩調が合わないことがあってはならない。批判は改革へのエネルギーとすべきだ」と強調した。
なお、蔡次期総統が前回2012年の総統選敗北後、市民との対話を通して模索した新たなリーダーシップの形や、台湾の将来像について記した著作の日本語版『蔡英文 新時代の台湾へ』が５月下旬に白水社から発売される。
