ニュース 自動車・二輪車 作成日:2016年5月4日_記事番号:T00063922
トヨタの台湾総代理店、和泰汽車は4日、熊本地震の影響で工場が稼働停止となり、SUV(スポーツ用多目的車)「RAV4」と「レクサスRX」の納車が9月までずれ込むとの見通しを示した。また蘇純興総経理は、円高が2割以上進行しており、輸入車に値上げ圧力がかかると話した。こうした懸念材料を挙げつつも台湾生産車に注力する方針とみられ、蘇総経理は、今年の新車市場規模は前年並みの42万台を維持できるとの楽観的な予測を示した。4日付蘋果日報などが報じた。
蘇総経理(左)と国瑞汽車の李朝森総経理(右)。ヤリスとヴィオスの旧モデルは4月中旬までに売り切れた(同社リリースより)
RAV4の受注は現在5,000台、レクサスRXを合わせれば5,300台を超える。蘇総経理は、RAV4はもともと人気があり、グレードや色によって通常でも納車までに2~4カ月かかると説明し、両車種以外の輸入車に影響は出ていないと強調した。九州で余震が続く中、和泰汽車は輸入車不足の穴を埋めるため、できるだけ多くの車種を国瑞汽車での台湾生産に切り替えるよう、トヨタに働き掛けるもようだ。
輸入車の深刻な供給不足もあり、和泰汽車の組み立てを担う国瑞汽車は残業体制でミニバン「ウィッシュ」の生産を急いでいる。蘇総経理は、7月のタイヤ空気圧監視システム(TPMS)搭載義務化に伴い、6月末で生産を終了するウィッシュ、イノーバの購買意欲が高まると予測した。特にウィッシュは年間1万台近いタクシー向け需要があるが、代替可能な車種がないため、買い替えが進みそうだ。
下半期に値上げか
蘇総経理は、和泰汽車が昨年末にトヨタと設定した新車販売価格の基準為替レートは1米ドル=125円だったと明かした。今や1米ドル=106円まで上昇しており、外電によると100円まで円高が進行するとの予測も出ている。
蘇総経理は、円高が進めば、トヨタなど日本車メーカーが海外の完成車、部品などのオファー価格を引き上げ、台湾のトヨタ車も値上げを余儀なくされると懸念を示した。ただし、和泰汽車はモデルチェンジなどの際に値上げするため、既存車種をすぐに値上げすることはないと説明した。市場では、値上げは早くても下半期の新型車発表時とみられている。
業界関係者や証券会社は、自動車業界はこれまで大規模なキャンペーンを打っており、値上げしないまま円高が進めば、第1四半期の為替差益は第2四半期に使い尽くすと予測した。
新型ヤリスとヴィオス発表
和泰汽車は同日、新型「ヤリス」と新型「ヴィオス」を発表した。ヤリスは57万5,000台湾元(約190万円)から、ヴィオスは53万9,000元から。それぞれ平均1万9,000元、1万3,000元の値上げとなったが、Dual VVT-i(吸・排気連続可変バルブタイミング機構)エンジン、Super CVT-i(自動無段変速機)が搭載され、燃費と加速が向上した。
蘇総経理は、装備4万元相当の追加で、機能が大幅に向上し、ヤリスの月間販売台数は1,500台(現在1,200台)に、ヴィオスは1,000台(現在800台)に増えると予測した。
蘇総経理はまた、新車買い換えでの5万元の貨物税(物品税)減免措置を受け、同社販売の3割を買い替えが占めており、特にヤリスは4割に上ると指摘した。
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