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蔡英文総統の就任パーティー、料理は全て台湾食材


ニュース 社会 作成日:2016年5月6日_記事番号:T00063995

蔡英文総統の就任パーティー、料理は全て台湾食材

 5月20日に開催される蔡英文次期総統の就任パーティーで来賓に提供される料理は、全て台湾各地から取り寄せた季節の食材を使用したメニューとなることが明らかとなった。

/date/2016/05/06/19food_2.jpg客家料理「客家板条」は6品目の料理だ(5日=中央社)

 今回の総統就任パーティーは台北万豪酒店(台北マリオット・ホテル)で開催され、台湾内外から1,000人を超える来賓が出席する見通しだ。同パーティーの準備委員会は、宴席に供する料理について「地元産」「季節に合ったもの」をテーマとして献立を検討。その結果、宜蘭県三星郷産ネギと雲林県西螺鎮産のニンニクを使った蒸しロブスターなど、前菜3種とコース料理8品のほか、飲み物に至るまで全て台湾食材を使用したメニューとなった。

 また客家をバックグラウンドに持つ蔡次期総統がメニューに含めてほしいと要望したという客家料理「客家板条(米で作った板状の麺)」も、苗栗県後龍鎮産の米を100%使用した麺と桃園市復興郷産のシイタケが材料となっている。

 このほか食後の飲み物も新竹県北埔郷産の茶葉でいれる東方美人茶と雲林県古坑郷産の豆でいれるコーヒーが用意される。

 なお、今回のパーティーでは蔡次期総統が力を入れる「食の安全」政策を反映し、献立表にQRコードを記載し、これをスマートフォンで読み取れば主な食材の流通履歴を知ることができる仕組みを取り入れる計画だ。

 かつて総統就任パーティーといえば、フカヒレやアワビといった高級食材が主流だったが、台湾で初めて政権交代が実現した2000年に就任した陳水扁総統は、国民党時代との違いを明確にするため「保護対象となっている食材は使用しない、台湾食材を使用する」などの方針を打ち出したほか、自身の出身地である台南市の屋台料理をメニューに含めるよう指示した。

 一方、08年に高雄市で就任パーティーを開催した馬英九総統は、自身が重視する二酸化炭素(CO2)排出量削減政策を反映し、「フードマイレージ」(食糧の輸送に伴い排出されるCO2が環境に与える負荷に着目した考え方)の概念を導入。使用する食材を全て台湾中南部から取り寄せた。

 総統就任パーティーに供される料理は、単に来賓の舌を楽しませるだけでなく、新総統の姿勢を反映すべく、さまざまな工夫が凝らされているようだ。