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鴻海がシャープ事業部を細分化か、リソース統合で早期黒字化へ


ニュース 電子 作成日:2016年5月9日_記事番号:T00063999

鴻海がシャープ事業部を細分化か、リソース統合で早期黒字化へ

 鴻海精密工業はシャープを買収後、現在の5事業部を10以上に細分化する考えのようだ。鴻海グループの一員として、パソコンやテレビなどの電子製品とインターネット、クラウドの融合を目指す「11屏3網2雲」計画に組み入れ、リソースを統合することで、早期黒字化を図る。9日付蘋果日報が報じた。

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 北京奥維雲網大数據科技(AVC)大資料産業鏈研究中心(ビックデータサプライチェーン研究センター)の王暁宇アナリストは、シャープは鴻海グループの一員となった後、鴻海グループの戦略「11屏3網2雲」に合わせて、現在5つある事業部が再構築を迫られると指摘した。

 シャープは現在、▽ディスプレイ(ディスプレイデバイス)▽コンシューマーエレクトロニクス(家電製品)▽ビジネスソリューション(コピー機など)▽電子デバイス(センサーなど)▽エネルギーソリューション(太陽光発電)──各カンパニーがある。

 中でもディスプレイカンパニーの液晶パネルは、▽携帯電話▽タブレット端末▽ノートPC▽液晶テレビ▽電気自動車(EV)▽ロボット▽ウエアラブルデバイス(装着型)端末──など11のディスプレイ搭載製品「11屏」にとって、最も重要な鍵となる。鴻海グループは、高雄市路竹、中国・河南省鄭州市、貴州省でLTPS(低温ポリシリコン)パネル工場を建設し、アップルの有機EL(OLED)パネル採用に備えている。王アナリストは、有機ELパネルについて鴻海、傘下の群創光電(イノラックス)、シャープの3社はリソースを統合し、協力し合わなければならないと指摘した。

 イノラックスの段行建董事長は6月22日の役員改選の董事候補リストから外れており、シャープの液晶パネル事業への派遣が予想されている。今週12日の記者会見で、説明がある見通しだ。

太陽光発電事業、見直しも

 このほか、コンシューマーエレクトロニクスカンパニーは、エアコン、冷蔵庫、オーブンレンジ、洗濯機、掃除機、ドライヤーなどが主要製品で、鴻海グループのIoT(モノのインターネット)、スマート家電と関係してくる。ビジネスソリューションカンパニーはロボット事業と、電子デバイスカンパニーは電気自動車、車載用などと関連が深い。一方、エネルギーソリューションカンパニー(太陽光発電)は、鴻海の中国、インドでの太陽光発電事業と関係するが、シャープ赤字の原因のため、見直しが予想されている。

インド投資を延期か

 インド現地紙の8日報道によると、インドのある官僚は、鴻海傘下の富智康集団(FIHモバイル)がムンバイで3~4月に計画していた携帯電話の試験生産が、6月にずれ込むと語った。市場では、大口顧客アップルのインド現地販売の伸び悩みが原因とみられている。

 一方、アナリストは、インド投資の延期は6~9月に予定しているシャープ買収手続きが理由と指摘した。郭台銘(テリー・ゴウ)董事長が、インドよりもシャープを重視している表れと分析した。

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