ニュース 政治 作成日:2016年5月10日_記事番号:T00064045
世界保健機関(WHO)の年次総会に当たる世界保健総会(WHA)に向け、WHO事務局が台湾側に送った招待状に「一つの中国の原則」という語彙(ごい)が盛り込まれていた問題で、政権交代を控えた馬英九政権と蔡英文新政権の足並みが乱れている。10日付自由時報などが伝えた。
衛生福利部はWHO事務局に対する回答文書で、WHAに参加しなければ台湾だけでなく国際社会にとっても損失だと説明した(9日=中央社)
WHO事務局は台湾をWHAに招くに当たり、中華人民共和国が中国の唯一の合法的代表だとする国連総会2758号決議と「一つの中国」の原則に触れた。
今回の問題で、馬英九総統は9日、安全保障幹部による会合で、「1992年の共通認識(92共識)、(一つの中国について、中台が異なる解釈を行う)「一中各表」は、われわれが2758号決議に向き合う最も理にかない、有力な回答だ」と述べた。また、衛生福利部はWHOに宛てた回答文書に「92共識」と「一中各表」との記述を盛り込んだ。
これに対し、発足を控えた蔡英文新政権は、WHOに宛てた文書で、「一つの中国原則と結び付けることは不必要だ」と主張した。現・新政権で回答内容に食い違った形だ。
新政権の行政院報道官に内定している童振源氏は「退任を控えた政権が、台湾の国際組織参加について、枠組みを設定すべきではない」と馬政権の対応に不快感を示した。
また、国家安全局の周美伍副局長は9日、立法院でWHA参加問題に関する分析報告を行い、「WHAが中共(中国)の一つの中国の原則を守るというには、中共の立場と合致するもので、台湾の地位をおとしめる意図がある」と指摘した。
一方、米国務省のトルドー報道官は9日の定例会見で、「米国が台湾がWHAに出席することと、意義ある形でWHOの活動に参加することを強く支持する」と述べた。
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