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クアンタ、クラウド商機に期待感


ニュース 電子 作成日:2016年5月11日_記事番号:T00064059

クアンタ、クラウド商機に期待感

 ノートパソコン受託生産大手、広達電脳(クアンタ・コンピュータ)の林百里(バリー・ラム)董事長は10日、世界の大手企業によるビッグデータを活用したクラウドサービス提供、第5世代移動通信規格(5G)の成熟、AI(人工知能)ロボットの普及により、今後5年間、IT(情報技術)産業が急成長すると予測した。市場では、グーグルが来年より彰化県に12億米ドルを投じて研究開発(R&D)センターを設立するとの観測が浮上しており、台湾メーカーからの設備調達が予想されている。11日付自由時報などが報じた。

/date/2016/05/11/01quanda_2.jpg林董事長は、同社の業績は底を打ち、今年は良くなる一方だと述べた(10日=中央社)

 クアンタが同日発表した第1四半期連結売上高は1,973億6,300万台湾元(約6,600億円)で前期比28.3%減、前年同期比3.8%減。粗利益率は4.98%で前期比0.16ポイント上昇した。純利益は36億1,700万元で前期比26.9%減、前年同期比1.5%減だった。ノートPC出荷台数は840万台で前年同期比15%減だった。林董事長は、今年はノートPC以外の業務が5割を占め、中でもサーバーが最大になると予測した。

 ノートPC市場の低迷が続く中、クアンタはクラウド業務で成長を続けている。特にサーバーの受託生産はノートPCより粗利益率が高い。クアンタはグーグル、フェイスブック(FB)、アマゾン・ドット・コムを顧客とし、データセンター用サーバーの世界市場シェアは5割近くを占める。昨年売上高は1兆元台を回復し、このうちサーバーが2割を占めた。利益はサーバーが4割以上を占めた。

 グーグルは年内に彰化浜海工業区(彰化県)にあるクラウドデータセンターの第3期拡張が終わる予定だ。第3期までの投資額は6億米ドルで、従業員は100人。サーバーの70%をクアンタなど台湾メーカーが供給している。市場観測によると、グーグルは第2段階として来年から彰化浜海工業区か台南科技工業区で300~400人規模のクローム・ネスト研究開発センターに着工するようだ。関連設備の調達で、台湾メーカーに恩恵をもたらす見込みだ。