ニュース 社会 作成日:2016年5月11日_記事番号:T00064078
台北都市交通システム(MRT)無差別殺傷事件の犯人で10日夜に死刑が執行された鄭捷死刑囚は同日、検察官から「何か言い残すことは?」と尋ねられたものの、事件を起こしたことへの後悔や遺族への謝罪を口にすることはなく、「最後の晩餐」に焢肉飯(豚の角煮丼)を食べた後、終始冷静な態度で刑場へと向かった。
死刑に処された鄭死刑囚。事件被害者の遺族らからは、「心の中の重荷が取れた」など歓迎の声が上がった(10日=中央社)
10日夜、法務部が鄭死刑囚の死刑執行命令に署名を終えると、既に退勤していた執行担当職員が急きょ呼び戻された。そして大雨が降り始めた午後7時ごろ、高等検察署(高検署)の担当者が台北看守所(拘置所)台北分監にある刑場に到着した。
午後8時25分、台北看守所の舎房で管理員から自分の受刑者番号を呼ばれた鄭死刑囚は、まるで執行を予知していたかのように落ち着き払った様子で指示に従ったという。
刑場に隣接する部屋で鄭死刑囚の本人確認を行った高検署執行科の検察官は彼に対し、「最高裁判所の判決書は受け取ったか」「遺言はあるか」「その他言いたいことはあるか」と3点の質問を行った。しかし鄭死刑囚は質問には答えず、無表情のままで検察官の方を向き、「喉が乾いた。少し水が欲しい」と告げた。
検察官は「後で水を持ってこさせる」と答えた上で再度、鄭死刑囚に「何か言うことはないか」と尋ねたが、彼は首を振るだけで何も語らないまま刑場へと連れて行かれ、そこに用意されたテーブルで焢肉飯を3分の2ほど食べた後、600ccボトル入りミネラルウォーターを飲み干した。ただ拘置所側が用意したコーリャン(高粱)酒にはまったく手を付けなかったという。
そして立ち会いの女性医師から麻酔注射を打たれた鄭死刑囚は、刑場に作られた砂の山にうつ伏せになって上から布団を掛けられた後、背後から銃で心臓を2発撃ち抜かれ、8時51分に息を引き取った。最後にもう1発が撃ち込まれ、医師が死刑囚の死を確認して、刑の執行が完了。遺体は桃園市中壢区の葬儀場に移送された。
なお鄭死刑囚は昨年、控訴審の公判中に「被害者と遺族に申し訳ない」と謝罪の言葉を口にしていたが、獄中で付き合いのあった受刑者によると「もう演技はしたくない」と語っており、本心ではなかったと思われ、どうやら最後まで自分の犯した罪に向き合うことはなかったようだ。
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