ニュース 社会 作成日:2016年5月13日_記事番号:T00064138
きのう(12日)昼ごろ、宜蘭県東部沖を震源とする地震が相次ぎ、宜蘭県南澳の震度6をはじめ、新北市、桃園市、台北市などで強い揺れを観測した。今回の地震は、今月3日に政府が震度5以上の地震速報を第4世代移動通信(4G)のスマートフォンユーザーにショートメールで自動配信するサービスを開始すると発表して以降、初めて震度が5を超えたケースとなったが、「配信が遅い」「速報が送られてこなかった」など適切に機能していないとの批判の声が巻き起こった。
地震速報メールの例。中央気象局は、現在は試験運用期間で、7月1日にも正式に開始すると弁明した(12日=中央社)
中央気象局によると、政府の地震速報サービスは、気象局の各観測所で地震の発生を感知した場合、地震波が広がる前にコンピューターで各地の震度を予測し、震度5以上の揺れが予測されるエリアに行政院が設けた災害訊行広播プラットフォームから速報を発信。各通信キャリアを通じて4Gユーザーの元へ情報を届けるというものだ。
きのう、気象局の観測所では午前11時17分14秒に震源地の揺れを観測。18秒後に災害訊行広播プラットフォームが速報を各キャリアに発信し、キャリアでの処理に平均5秒を要したことからユーザーが速報を受信したのは地震発生から23秒後となった。
しかし今回の場合、震源地から陸地までの距離が近かったことから、ユーザーの多くが実際に地震が発生した後に速報を受け取ることとなり、「揺れが起きて慌てている中で速報を受け取っても何の役にも立たない」といった不満が聞かれた。
また速報配信の条件を満たしながら受信できなかったユーザーも多かったようだが、国家通信伝播委員会(NCC)は、速報を受け取るには保有するスマホが警報配信システム「PWS」をサポートしている必要があり、これを満たすのは現時点で21機種のみだと説明した。
さらに今回、遠伝電信(ファーイーストーン・テレコム)のユーザーは速報を受け取れなかったことが判明しているが、これについて同社は「現在同サービスは試験運用段階にあり、政府とパラメータの調整を行っているため」とコメントした。
周囲のスマホから次々と着信音が鳴り響く中、自分のスマホだけが静かなままというケースも多かったようで、そのうちの1人は「政府から見捨てられた気分だった」と語っている。一方で速報が連続で40通配信され、着信音が鳴り止まなかったというユーザーもあり、今後、改善を進める必要がありそうだ。
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