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作成日:2008年3月28日_記事番号:T00006422
謝長廷氏と陳水扁総統、関係決裂が決定的に
総統選敗北の責任を取って辞意を表明した民進党の謝長廷・党主席代理は27日、関係不和に陥っていた陳水扁総統と会談したが、話し合いは平行線をたどり、同日の中央執行委員会に陳総統系の幹部が欠席したことで、両者の関係決裂は決定的となった。28日付中国時報などが伝えた。
中央執行委は謝・党主席代理に少なくとも5月の党役員改選まで留任するよう求めることを決議したが、陳総統は謝氏が党運営から退くべきとの立場を明確にしているという。陳総統は総統選候補を選出する過程でも蘇貞昌氏を推すなど、謝氏を露骨に嫌っており、両者には長期にわたる「しこり」があった。
陳総統は1月の立法委員選に党主席兼任で臨んだ結果、空前の惨敗を喫し、党主席を辞任した。謝氏は汚職疑惑のよるマイナスイメージが強い陳総統と一線を画すことで、総統選で浮動層に支持を訴えた。しかし、陳総統は選挙運動期間中に独自に各地で遊説を行い、国連加盟の是非を問う住民投票への参加を呼び掛けるなどしたため、党内の足並みの乱れを露呈し、結果的に謝氏の足を引っ張った。
一方で謝氏は党主席代理の辞任を表明した際、2004年の総統選で投票日前日に起きた陳水扁候補銃撃事件の再捜査を馬英九新政権に求め、あからさまな対抗姿勢を示した。同銃撃事件は従来から自作自演説が存在するなど、真相解明が十分とは言えない状況だが、民進党の党主席代理という立場で、あえて再捜査に言及したことは、陳総統との溝の深さを強く印象付けた。