ニュース 社会 作成日:2016年5月23日_記事番号:T00064293
中国語で「龍王鯛」や「蘇眉魚」といった名で知られる大型の魚「メガネモチノウオ(別名:ナポレオンフィッシュ)」は、台湾ではかつて食用にされていたことから乱獲が進み、周辺海域では約30匹まで激減。昨年、捕獲禁止令が出された。しかしこのほど、この魚が7匹生息するとされる台東県沖の離島、緑島で民宿を経営する男性が1匹を捕獲して、死なせていたことが明らかとなり、激しい批判にさらされている。
「絶滅危機」にある種として国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに2004年からリストアップされている(21日=中央社)
緑島で「阿憲民宿」を経営する陳明憲容疑者(33)は21日、同島周辺海域でナポレオンフィッシュ1匹を捕獲し、切り分けた後の切り身の写真を無料対話アプリの「LINE(ライン)」で友人に公開。これがインターネット上に拡散してたちまち炎上した。男性は「写真は7年前に撮ったもの」とごまかそうとしたが、写真に写り込んだ男の履いている靴が昨年発売されたばかりの商品だったり、当時、存在するはずのない第4世代移動通信(4G)規格に関するデータが画像ファイルに記録されていたことから、うそがばれてしまった。
そして一部ユーザーが行政院海岸巡防署(海巡署)や希少動物の保護などを管轄する行政院農業委員会(農委会)林務局に通報し、陳容疑者は22日に取り調べを受けることとなった。
海巡署の調べに対し陳容疑者は、大白沙海域で水面を浮かんだり沈んだりしていたナポレオンフィッシュを発見し、竹竿で簡単に捕まえたと説明。写真を撮った後、死骸は「海葬」したと証言した。しかししばらくして同容疑者は、前言を翻し、魚を捕まえた後、どうしてよいか分からず、切り分けて緑島刑務所近くに埋めたと説明。実際に現場を掘り返してみると、そこからナポレオンフィッシュの死骸が見つかった。魚の肉が半分ほどなくなった状態で、同容疑者が肉を販売した可能性もあるが、捕獲した時点で既に「野生動物保育法」違反しているため、海巡署は彼同容疑者を台東地方検察署に送検した。
また陳容疑者は「竹竿で捕まえた」と主張したが、発見された死骸の状況と、「彼が最近、水中銃を購入したと聞いた」という緑島住民の証言から、海巡署は、この銃を使って捕獲した可能性もあるとみている。
陳容疑者の行為に対し専門家は、緑島からナポレオンフィッシュがいなくなれば、天敵のいなくなった貝類が大量に繁殖するなど生態系のバランスが崩れる恐れがあると指摘。ネットユーザーからは「緑島の恥」「島で民宿を営みながら海洋資源の貴重さを理解しないとは捕まって当然だ」といった厳しい批判が浴びせられており、同容疑者の民宿を利用しないよう呼び掛ける声も上がっている。
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