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完全週休2日制、蔡英文政権が推進


ニュース その他分野 作成日:2016年5月25日_記事番号:T00064321

完全週休2日制、蔡英文政権が推進

 新任の郭芳煜労働部長は24日、▽7日間の国定休日(台湾光復記念日、孫文誕生日など)削減に先立って、完全週休2日制を推進する▽時給の最低賃金を現行の120台湾元(約400円)から126元に引き上げる──などの方針を示した。早ければ下半期から実施する。産業界は、労働者寄りの政策で、企業ばかりに負担がかかると強く反発した。25日付経済日報が報じた。

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 今年1月1日から法定労働時間を1週40時間(従来は2週84時間)に短縮したのに伴い、労働部は昨年12月、労働者の国定休日を従来の19日間から12日間に削減する行政命令(労働基準法施行規則)を発表した。しかし、労働団体が反対したため、立法院社会福利・衛生環境委員会は今年3月、行政命令の審議見送りを決議した。

 郭労働部長は、立法院の決議を尊重し、再提案しない意向のため、7日間の国定休日を削減する行政命令は6月21日で自動的に失効すると話した。一方、今後1カ月以内に労働基準法の改正案を提出し、7日間のうち2日間を休日とすることを明文化し、完全週休2日制を実現すると強調した。ちなみに現在は所定労働時間が1週40時間ならば、完全週休2日制を導入しなくてもよい。

 郭労働部長は、まず労働者の完全週休2日制を実現して公務員と一致させるのが先で、その後で労働者の国定休日19日間を12日間に削減するとのスケジュールを示した。これにより、労働者の国定休日は労働節(メーデー、5月1日)の1日分だけ、公務員より多くなる。

 今年の国定休日については、労働基準法の改正案が今会期中(7月15日まで延長決定済み)に可決されれば削除となるが、今会期中に可決されなければ、孔子誕辰紀念日(孔子の誕生日、9月28日)以降は休日となる。

「労働者が被害者に」

 中華民国全国工業総会(工総、CNFI)、中華民国全国商業総会(商総)など経済団体6団体は先週、郭労働部長を訪ね、国定休日7日間に関し、前政権の政策を踏襲するよう要望したところだった。

 工総の蔡練生秘書長は、国定休日7日間を削減しないのなら、労働部は補完措置を講じるべきで、全て雇用主が負担するのはおかしいと語った。

 商総の許舒博副理事長は、政府がコストを企業に押し付けるのならば、企業は工場の移転や閉鎖、無給休暇で乗り切るしかなく、結局は労働者が被害者になると訴えた。

コンビニ人件費、10億元増も

 郭労働部長は、最低賃金の時給引き上げについては6月に小委員会を開き、合意に達すれば、7月から実施すると話した。アルバイト、パートタイマーなど50万人近くが恩恵を受ける見通しだ。時給引き上げにより、時給労働者が8割を占めるコンビニエンスストア業界は人件費が5億~10億元増える計算だ。また、飲食店の人件費は5%上昇する見通しだ。

 このほか郭労働部長は、有給の介護休暇を5日間とする提案を年内にまとめると述べた。

 また、ホワイトカラーの外国人労働者に対し、2年の実務経験を求め、月給4万7,971元以上で雇用するという原則を維持しつつ、個別判断も認める考えを示した。

【表】