ニュース 電子 作成日:2016年5月27日_記事番号:T00064377
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の劉徳音・総経理兼共同執行長は26日、TSMC技術フォーラムで、7ナノメートル製造プロセスが来年第1四半期に顧客の認証を取得し、インテルやサムスン電子を大きくリードすると語った。2018年には業界の先頭を切って量産に入る見通しだ。インテルと競うARMのサーバープロセッサーや、クアルコムなど大口顧客も、16ナノプロセスから10ナノプロセスを飛ばしてTSMCの7ナノプロセスを採用するようだ。27日付経済日報などが報じた。
劉共同執行長は、顧客470社に製品8,900種を提供しており、昨年は100億個を生産したと語った(26日=中央社)
劉共同執行長は、7ナノプロセスは128メガビット(Mb)のSRAMの歩留まり率が40%以上に達しており、来年第1四半期には顧客から認証を取得するとの予測を示した。また、16ナノプロセスは昨年第3四半期に量産、出荷したと説明。10ナノプロセスは既にテープアウト(設計完了)したケースがあり、来年の量産に向けて開発を急ぐ構えだ。
TSMC技術フォーラムは、顧客やサプライチェーン、外資系証券会社が同社の競争力を評価する重要なイベントだ。フォーラムに参加した半導体業界関係者は、TSMCの10ナノプロセスはインテルを超えており、アップルの次世代プロセッサー「A11」を受注し、聯発科技(メディアテック)、ザイリンクスなども採用すると予想した。
スマートカーに期待感
劉共同執行長は、人類の生活を変えるものとして▽スマートカー▽VR(バーチャルリアリティー、仮想現実)/AR(オーグメンテッド・リアリティー、拡張現実)▽センサー、体感チップ▽ウエアラブル(装着型)端末──を挙げた。
劉共同執行長は、特に自動車の先進運転支援システム(ADAS)に期待感を示した。無人の自動運転で交通渋滞が解決するほか、障がい者の交通の足ができ、「Uber(ウーバー)」のようなスマートフォンアプリを使った配車サービスも可能だと語った。自動車事故が減少し、世界の半導体業界の売上高の2倍に上る自動車保険の年間保険金支払額6,710億米ドルを減らすこともできると話した。
VR/ARについては、現在ゲームなどにしか使われていないが、同社のARエンジニアによると、将来はパソコンやスマートフォンに代わり、人と人の重要なコミュニケーションツールになるとの見通しを示した。
また、IoT(モノのインターネット)発展に伴い、センサー、体感チップ需要が増えると予測。ウエアラブル端末は、医療機関の検査や服薬の管理などに使用でき、ビックデータを高速演算で分析すれば、疾病発生を予測できると述べた。
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