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思い出詰まった自宅、外食中に無断で取り壊される


ニュース 社会 作成日:2016年5月31日_記事番号:T00064446

思い出詰まった自宅、外食中に無断で取り壊される

 新北市三重区でこのほど、夫婦と子供3人の家族が朝食を取ろうと外出した際に、彼らの自宅が周辺の土地にビル建設を計画する建設業者から委託された解体業者によって取り壊されるトラブルが発生。家主は業者を警察に通報し、裁判所に訴えた。業者は「取り壊す家を間違えた」と主張しているが、検察は罪を軽くするために偽証している可能性があるとしてこの業者を勾留して調べを進めている。

/date/2016/05/31/19torikowashi_2.jpg林さんは衣類や子どもの教科書など全てを失い、昨夜は友人の家で一晩を過ごした(30日=中央社)

 今回、取り壊しに遭った家の主、林仁堅さんによると、彼の父親は60年ほど前に家族を連れて南部から新北市に移住し、ある地主が所有する約7坪の土地の地上権を取得して家を建てたという。麺料理店を開いて生計を立てていた両親が亡くなった後に結婚し、3人の子供が生まれた後も林さんはこの家に住み続けていた。

 そんな林さんの自宅一帯150坪の土地に、ある建設会社がビル建設計画を立て、約1年前から用地の買収に乗り出した。そして林さんの家が立つ土地の所有者を含む全地主、および地上権を有する家主13人のうち11人から自宅の売却に同意を得、現時点で家を手放さないと主張しているのは林さんら3人のみとなっていた。

 ただ、新北市社会局によると、林さんの自宅は監督機関への登記がなされていない違法建築で、実際に地上権は存在しなかったようだ。

 そんな中、29日午前、林さん一家が朝食を取るため外出したところ、隣人から「家が壊されている」との電話連絡があり、慌てて帰宅するとそこには解体工事用のハサミを取り付けたショベルカーによって破壊された、我が家の残骸が目の前に横たわっていた。

 現場で作業を行っていた解体業者と建設業者、ショベルカーの操縦士に取り壊す建物の指示を間違えたと釈明しているが、林さんの家が違法建築であるため、強引に取り壊してしまえば計画がスムーズに進められるとして、建設業者の指示の下、故意に解体を行った可能性もある。同建設業者は登記された住所にオフィスが存在せず、悪質な業者の疑いが強い。

 なお専門家は、違法建築であったとしても、取り壊す権限は政府にしかなく、建設業者が勝手に解体する権利はないと指摘、今回のケースも罰金や事業免許の取り消しといった処分が適当と語っている。