太陽電池用シリコンウエハーメーカー、国碩科技工業（ギガストレージ）は４日、李朝欽副総経理（財務会計主管、広報担当を兼任）を全ての役職から解任すると発表した。これまで15～16年にわたり同社の経営に深く関わり、一昨年に亡くなった同社創業者、陳継仁氏の信頼も厚かった李氏の突然の解任に、業界に衝撃が走っている。７日付蘋果日報が報じた。
ギガストレージの発表によると、李氏の将来設計と同社の経営理念が一致しないことが解任理由とされている。陳継仁氏から董事長職を引き継いだ実兄の陳継明氏は、李氏について、行動が独善的で会議への出席状況も悪かったと指摘。さらに職位を利用して株主名簿を事前に入手し、今年の株主総会で行われる役員改選で有利な立場を得ようとしたと批判した。
なお今回の役員改選で李氏は早くから根回しを進め、自らを含めた陣営で５議席を獲得するとみられていた。しかし現在、ギガストレージでは創業者一族の持ち株が李氏陣営を上回るため、「李派」の獲得議席は多くても３議席にとどまると陳継明氏は予測している。
一方、解任を受けて李氏は「会社の決定を尊重する」とコメント。同社を離職し、当面、再就職する考えはないと表明した。
