ニュース 金融 作成日:2016年6月13日_記事番号:T00064657
最高法院検察署特別偵査組は8日、金融持ち株会社、中国信託金融控股(中信金、CTBCフィナンシャル・ホールディング)の実質的経営者、辜仲諒氏(51)が銀行資金を不正流用し、投資に充てていた疑いが強まったとして、銀行法や証券取引法に違反した疑いで辜氏らを取り調べ、関係先58カ所を家宅捜索した。辜氏は9日未明、保釈金1億台湾元(約3億3,000万円)で保釈された。13日付工商時報などが報じた。
辜氏は保釈の際に、「今回の件は誤解で、なぜ捜査されたのか理解できない」とコメントした(9日=中央社)
調べによると、辜氏は2003年から07年にかけ、グループ子会社の海外投資を利用し、3億米ドルの資金を同氏が掌握する口座へと不正送金し、投資活動を行っていたとされる。
このほか、中信グループが昨年、台北市内湖区の建物と土地を長虹建設から約51億元で取得したことについても、地権者の一部が中信関係者であり、事前に安値で取得した不動産を中信グループに高値で転売する手口で17億元の売却益を上げ、会社に損失を与えた疑いが浮上している。
中信金は8日、声明を発表し、3億米ドルの不正送金については、「辜氏が掌握する口座に送金した事実は絶対にない」と疑惑を強く否定。内湖の不動産取得に関連しても、「全て規定に基づき処理しており、価格の鑑定は外部機関が行ったものだ」と説明した。
中信金は、日曜日の12日に異例の董事会を開き、グループ各社に捜査に積極的に協力するよう求めた。また、同社は薛香川副董事長名義で従業員に宛て、「外界での騒ぎにかかわらず、職場を守ってもらいたい」とするメッセージを発した。
同日の董事会では、当時の財務資料で会社資金の不正流用がなかったことを示す記載があるとの説明がなされたという。中信金の06年の年次報告書によれば、同社の海外投資孫会社、CTオポチュニティー・インベストメントが05年時点で3億3,931万米ドルの投資を行っていたが、06年末に3億498万米ドルを回収したとの記述がある。中信金は「いわゆる不正流用はなかったことを証明するに足りる」と主張した。
検察は具体的な資金流用先など容疑の詳細を明らかにしていないが、中信金は当時の財務資料を盾に検察に反論していく意向とみられる。
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