ニュース 社会 作成日:2016年6月13日_記事番号:T00064662
市民記者を名乗る50代の女性がこのほど、外省人の高齢男性にインタビューを行い、「早く中国へ帰れ」と激しくののしる場面を撮影した動画を自身のフェイスブック(FB)上に掲載してたことが各方面から非難の声を浴び、蔡英文総統が族群(エスニックグループ)の偏見をあおる言説の拡散を直ちに止めるよう呼び掛ける事態となった。
一般市民が「台湾民政府」に対し抗議を行ったが、「台湾民政府」は洪氏の言動と同団体は無関係とコメントした(10日=中央社)
公営放送の公共電視台(公視)が運営する市民参加型インターネット新聞サイト「PeoPo公民新聞」に日頃から記事を投稿していた高雄市在住の女性、洪素珠氏は9日、国民党政府が戦後間もない1947年に台湾住民を弾圧した「228事件」の記念日に当たる2月28日に高雄市228和平公園で行ったというインタビュー動画を自身のFBページに投稿した。
その中で彼女は、1人の元軍人の外省人高齢男性(いわゆる「栄民」)に対し、「台湾はあなたたちのような中国難民を養うことはできない。祖国へ帰るべきだ」と厳しい言葉を浴びせ、「われわれは台湾に50~60年も貢献してきた」と反論する男性に「あなたたちは台湾人の骨をしゃぶりに来たんだ」とさらに容赦なく大声で責め立て、「中国難民として70年も台湾にいて恥ずかしくないのか」などとののしった。
なお洪氏は、台湾の主権は依然、日本にあるなどと主張する民間団体「台湾民政府」のメンバーで、これまでにもたびたび外省人高齢者を侮辱するインタビューを行っていたことが明らかになり、彼女の行為に対しては与野党とその支持者を問わず、全土から憤慨する声が上がっている。
騒動を受けて野党、国民党の洪秀柱主席が10日、FBに「われわれは各個人の歴史に対する感じ方や解釈を尊重しなければならない。ともにこの土地に住む同胞として互いに恨み合うようなことはすべきではない」などと書き込んだ。すると、この記事を蔡総統が自らのFBページで「シェア」し、洪主席の意見に賛同を示した上で「あらゆる人間は自分のアイデンティティーを理由に謝罪する必要はなく、憎しみの言動はいかなるものであれ責められるべきものだ」とコメント。「多様と平等、尊重と寛容を心に抱いていなければこの国家に真の和解は訪れない」と呼び掛けた。
蔡総統が洪主席のFB記事をシェアするのは初めてのことで、今回のトラブルは意外にも台湾の族群対立の解消にプラス効果を及ぼすのかもしれない。
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