ニュース 社会 作成日:2016年6月20日_記事番号:T00064791
蔡英文総統は自宅に客を招き、手料理を振る舞うことを好むことで知られるが、これはただ相手の胃袋を満足させるためだけではなく、リラックスした雰囲気の中で問題解決を図る重要な手段としても活用されているようだ。
新政権が発足して20日で丸1カ月が経過したが、この間、新内閣の第1原子力発電所の再稼働をめぐる紆余(うよ)曲折や連休夜間の高速道路料金免除取り消しなど施政が反発を招いたり、閣僚から失言が相次ぐなど、さまざまな問題に見舞われた。こうした中、蔡総統は早速端午節連休(6月9~12日)に林全行政院長をはじめ主要閣僚を2日連続で新北市永和区の自宅に招いて料理の腕を振るうとともに、問題解決に向けた対策を話し合ったとされる。
蔡氏の事務所関係者によると、同氏は総統に就任する以前からスタッフを自宅に集め、オープンキッチンで食事をしながら会議を開くことがよくあったそうだ。ただ、和やかな雰囲気とはいえ、適当におしゃべりをするわけではなく、蔡氏によって問題点を鋭く追及されるため、スタッフは何の準備もなく出掛けることはできなかったという。
なお、これまで蔡総統の自宅には、王金平・前立法院長(国民党)、柯文哲台北市長、親民党の宋楚瑜主席、米国在台協会(AIT)のクリストファー・マルート前台北事務所長など大物政治家や外国の外交官も招かれている。
そのうち当選直後に招待され、台湾の政局について意見交換を行った柯台北市長は、皿に頭を埋めるように一心不乱に料理を食べ、2品目のパスタを食べ終えるや「もう満腹です」と答えたそうで、これを見た蔡総統は柯市長について「自分の気持ちに素直な政治の素人で、間違いなく台湾の政治に大きな影響を与える」との考えを抱いたという。
先の事務所関係者によると、蔡総統に招かれた客は思わず心の壁を取り払ってリラックスして会談に応じるが、一方で総統は問題解決に向けて準備万全で待ち構えているそうで、新政権の重要政策の多くは今後、総統のキッチンで決定されていくことになるかもしれない。
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