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有名弁護士を待ち伏せ攻撃、法廷での恨みが原因か


ニュース 社会 作成日:2016年6月23日_記事番号:T00064869

有名弁護士を待ち伏せ攻撃、法廷での恨みが原因か

 これまで経済界の重要人物が関わる数多くの裁判において弁護を務めたことでその名を知られる葉建廷弁護士が22日午前、通勤途中に待ち伏せていた男3人に襲撃され、肋骨の骨折、頭部を負傷などの被害を受けた。犯人の身元は判明していないが、警察は訴訟に絡む恨みが原因の可能性もあるとして捜査に全力を挙げている。

 警察の調べによると、葉弁護士は同日午前8時半ごろ、台北市の辛亥路と新生南路近くにある自宅を出て職場に向かう途中、バスに乗るために横断歩道を渡ろうしたところ突然、3人の若い男によって歩道に引き戻された。その後、葉氏は警棒とハンマーで背中や足を殴られた上、抵抗してつかみ合いとなった結果、頭を殴られて顔全体が血まみれになった。

 襲撃時間は1分足らずで、その後犯人は近くに停まっていたタクシーに乗って逃走。負傷した葉氏は何とか自宅へ戻り、妻の運転で病院へ運ばれた。診断の結果、肋骨が2本折れていたほか、頭部に10針以上縫う大けがを負っていた。

 葉氏の証言によると、犯人は野球帽にマスクを着用し、襲撃している間、まったく言葉を発しなかったという。警察は既に犯人を乗せたタクシーの運転手から事情を聞き、中山区龍江路で降ろした後、彼らがバスに乗って立ち去ったことを確認している。

 葉弁護士はかつてインサイダー取り引きに関わったとして起訴された中国信託金融控股の辜仲諒元副董事長や贈賄で起訴された遠雄建設事業(ファーグローリー・ランド・デベロップメント)の趙藤雄董事長などの弁護人を務めたことで知られるが、暴力団や麻薬がらみの事件を扱ったことはなく、事件後に「誰の恨みを買ったのか分からない」とコメントしている。また法曹界でも、組織犯罪に関わりがなく、円滑な人間関係を保つ葉氏が襲われたことに衝撃が走っており、「犯人は相手を間違えたのではないか」との声も上がっている。

 なお同事件を受けて台北律師公会(弁護士会)の張菊芳理事長は、裁判で敗訴した側の当事者が相手側弁護士のせいだと考えて言葉や肉体的な暴力による報復を行う場合があるが、裁定は法廷での審理の結果であり、許されることではないと語っている。