ニュース 電子 作成日:2016年6月29日_記事番号:T00064954
半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)最大手、日月光半導体製造(ASE)の呉田玉営運長(COO)は28日、半導体市場は依然スマートフォンがけん引役で、需給が逼迫(ひっぱく)しており、第3四半期に設備投資を追加すると語った。川上のIC設計最大手、聯発科技(メディアテック)、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)も下半期の半導体景気に楽観的な見方だ。業界関係者によると、TSMCは第3四半期受注が満杯で、顧客のIC設計会社が他社に緊急発注し、中堅ファウンドリーの設備稼働率も上昇している。29日付経済日報などが報じた。
呉ASE営運長(左)は英国の欧州連合(EU)離脱決定について、経済界への影響は必ずあるが、そんなに早くは表れないと述べた(28日=中央社)
呉営運長は29日の株主総会で、第2四半期からロー~ミドル~ハイエンド全てのスマホ需要が安定した中、スマホサプライチェーンは今年、昨年の部品供給不足を教訓に部品調達を急いでおり、ファウンドリー、封止・検査いずれも需給が逼迫していると説明した。呉営運長は株主総会前には、アップルは前年に比べると発注を抑えており、他のスマホメーカーは発注に意欲的だとの認識も示していた。アップルは同社の昨年売上高の31%を占める最大の顧客だ。
呉営運長は、世界の半導体業界は春節(旧正月)までに在庫調整が終わっており、現在の在庫水準は平均より低いと指摘した。封止・検査業界は第3四半期に需要期に入るので、同社は顧客の需要に応えるため生産能力を増強し、下半期業績は上半期を上回ると予測した。
また呉営運長は、システム・イン・パッケージ(SiP)が同社売上高の20億米ドル近くを占めており、今後5~10年の成長エンジンになると述べた。
生産能力取り合いに
IC設計の台湾首位、世界2位のメディアテックの蔡明介(ミンカイ・ツァイ)董事長は、半導体の供給不足は9月まで続き、下半期はファウンドリーの生産能力が逼迫すると予測。同社の第3四半期業績は予想以上に良くなるとみている。
TSMCの張忠謀(モリス・チャン)董事長は、今年の半導体業界は前年比2~3%の成長が見込め、同社の売上高は5~10%増で過去最高を更新すると予測している。
電子時報によると、TSMCは特に製造プロセス28ナノメートル、40ナノメートルが大幅な供給不足となっており、顧客のIC設計会社が聯華電子(UMC)、中芯国際集成電路製造(SMIC)などに緊急発注している。下半期はメディアテックや米クアルコムなどが生産能力を奪い合う状況になりそうだ。
ASEとSPIL、30日署名へ
なお、ASEと同業大手、矽品精密工業(SPIL)は30日にも、両社を傘下に収める持ち株会社新設に関する株式交換契約についての覚書に署名する見通しだ。両社の董事会は先月下旬に承認している。
ASEの呉営運長は、両社はよく話し合う時間が必要で、持ち株会社設立後には最大の効果を生み出したいと語った。証券会社は、両社は年内にも持ち株会社を設立し、大幅な値下げが可能になり、受注力が向上すると予測した。
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