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7日連続勤務が8月から違法に、産業界から反発も


ニュース その他分野 作成日:2016年6月30日_記事番号:T00064986

7日連続勤務が8月から違法に、産業界から反発も

 労働部は29日、8月1日から労働者は6日連続勤務後に1日休息が必要で、7日連続勤務は違法となり、状況に応じて罰金2万~30万台湾元(約6万4,000~96万円)を科すと発表した。労働基準法は7日ごとに1日の休日付与を義務付けているが、従来の労働部の解釈令では12日連続勤務が可能だった。労働基準法の対象となる労働者850万人に適用される。中華民国全国商業総会(商総)の頼正鎰理事長は、休日出勤の手当が増え、コストが倍増し、観光サービス業をはじめ台湾経済に打撃が大きいと強く反発。街頭デモに訴える考えを示した。30日付経済日報などが報じた。

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 労働部(当時は内政部労工司)は1986年の解釈令で、雇用主が労働者の休日を柔軟に調整することを認めており、7日ごとに1日休日を付与すればよかった。このため、1日休日、6日勤務、翌週6日勤務、1日休日とすれば、12日連続勤務となっていた。

 労働部の謝倩蒨・労働条件就業平等司長は、12日連続勤務は健康に悪影響を及ぼすため、立法院が労働部に検討を求めていたと説明。労使合意といっても、労働者は雇用主に合意を強要される場合があるため、解釈令の廃止を決めたと語った。

 ただ、労働基準法第30条の1に定められた銀行、飲食、ガソリンスタンド、警備など4週間単位の変形労働時間制の指定業種40種は、解釈令の廃止が適用されない。労使の合意が得られれば、依然12日連続勤務が認められる。

サービス残業を懸念

 頼商総理事長は、例えば7泊8日の台湾旅行ツアーに関わるツアーコンダクター、ガイド、ドライバーなどに対し7日連続勤務を認めなければ、旅行者の権益を守ることができないと訴えた。ただ旅行業界は、ガイドやドライバーは旅行会社と請負契約を締結しており、雇用関係でないので、労働基準法が適用されないと指摘した。

 労働団体、青年労働九五聯盟(95ユースレイバーユニオン)の周于萱理事長は、サービス業に従事する労働者はクリスマス、年末年始などに休むことができず、連続勤務を強いられてきたと述べた。台湾高等教育産業公会(高教公会、THEユニオン)の陳柏謙研究員は、百貨店、量販店、マスコミなどで12日連続勤務が多く、労働者の健康と引き換えだったと指摘した。

 量販店大手、大潤発(RTマート)やコンビニエンスストア大手、セブン-イレブンは、政府の決定に従うとコメント。OK超商(OKマート)は、現在も6日ごとに休日を与えていると説明した。

 売り場で働く労働者は、これまで周年慶(創業祭)セール期間は休みが取れなかったと話した。コンビニ店員は、12日連続勤務は本当に疲れると語った。一方、会計士は、今後は自宅で残業を強いられ、残業手当も支給されなくなるのではないかと懸念を示した。

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