ニュース 電子 作成日:2008年4月1日_記事番号:T00006516
2007年通年売上高が域内企業第1位の1兆2,368億台湾元(約4兆円)で、EMS(電子機器受託生産サービス)世界最大手の鴻海集団、郭台銘董事長が、きょう1日から第一線を退く。創業者である同氏の後任に関心が集まっているが、現在のところ未定で、株主総会が開かれる6月ごろに選出されるとみられる。同集団は先月末、大規模な組織改編を実施し、今後は権限委譲を進め、集団指導体制へ移行していく計画だ。一方でアナリストはしばらくは同氏が最終決定を下すことに変わりはなく、今後2~3年は経営政策に大きな変化はないとみている。1日付工商時報などが報じた。
企業グループトップは外部からも
郭董事長の発表によると、今後は3段階に分けた権限委譲を進めていく計画だ。
第1段階は、3月末の組織再編実施と郭董事長の第一線引退、第2段階は、人事、財務、技術開発、営業、製造の5つの権限を委譲し独立性を高め、既存の12事業グループの総経理(CEO)から成る「連邦制」とする。業界関係者によると、12人のCEOからさらに3、4人を選抜して経営チームを形成するとの見方もある。
その後、グループ全体の売上高が1,000億米ドルを超えた段階で第3段階に入る。第3段階では、グループを複数に分割し、事業分野別の企業グループを形成する、トップとして、同集団と変わらぬ規模の大企業を経営したことのある執行長(CEO)を日米から招くなどいくつかの方式を模索している。後者の方式では鴻海生え抜き社員のトップ就任も排除していない。
後継者は経営経験のある若手に
郭董事長は後継者の条件も公表している。売上高3,000億元クラスの部門の経営経験があり、50歳以下というものだ。
現副総裁の戴正呉氏は鴻準精密工業(フォックスコン・テクノロジー)の董事長就任が有力視されていることから、後継者には情報システム統合事業部門で、ヒューレット・パッカード(HP)の営業責任者の「5年級(民国50年代生まれ、1961~70年)」、簡宜彬氏の呼び声が高い。このほか、コネクター事業部門のベテラン責任者で、インテルと関係が深い盧松青氏も候補とされている。
丁祈安同社スポークスパーソンは先月31日、「後任者について社内で話し合っているが、まだ決まっていない」と語った。
郭董事長は2月5日に行われた尾牙(忘年会)で、4月の引退を発表していた。同氏は富豪としても知られ、米経済誌フォーブスの08年版世界長者番付では、160位にランクインしており、域内では、120位の蔡宏図国泰金融控股董事長とその家族に次ぐ2位だった。
組織変更、分社独立の可能性も
3月24日付で実施した組織改編では、従来の「産業別」から「顧客別」へ区分変更を行った。これにより、HP、米アップル、ソニーなどの主要顧客はそれぞれ別の部門となり、今後、各部門を分割して上場する可能性もあるとみられる。
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