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台湾バナナが静岡の学校給食に、農委会が御殿場市と覚書


ニュース 社会 作成日:2016年7月13日_記事番号:T00065217

台湾バナナが静岡の学校給食に、農委会が御殿場市と覚書

 行政院農業委員会(農委会)は12日、静岡県御殿場市と同市の学校給食に台湾産バナナを定期的に取り入れる内容を含む「日台農産交流強化意向書」を取り交わした。かつて日本では「バナナといえば台湾産」といわれるほど輸入量が多かったが、近年では安価なフィリピン産などにシェアを奪われており、農委会は今回の協定締結を機に日本全国の学校給食に販路を拡大したい考えだ。

/date/2016/07/13/19Banana_2.jpg若林市長(右)は、子どもたちが台湾バナナを通じて台湾をさらに理解し、日台双方の交流拡大につなげるのが目的だと話した(農委会リリースより)

 御殿場市が学校給食に台湾バナナを取り入れるきっかけとなったのは、同市が2020年に開催される東京五輪に向け台湾の選手やチームを対象として事前合宿を誘致するホストタウンに登録したことだった。

 同市はホストタウンとして台湾との人的・経済的・文化的な相互交流を図るべく、7月6日に御殿場市内の小中学校給食にデザートとして台湾バナナを採用。これが好評を呼んだことからこのほど、農委会と覚書を交わすに至った。今後は毎月11日、市内の学校で学ぶ約1万人の小中学生に台湾バナナが昼食として提供される。

 さらに御殿場市に加え、浜松市、掛川市、富士宮市、静岡市といった静岡県内各市も来年から学校給食に台湾バナナを取り入れることを予定しているほか、石川県、青森県、秋田県もこれに追随する意向を示しており、実現すれば学校給食に提供されるバナナの数は、過去3年間の対日輸出量に匹敵するという。

 なお農委会との覚書締結のために来台した若林洋平市長は、学校給食だけでなく市内のスーパーマーケットでも台湾バナナが買えるようにしたいと表明したほか、マンゴーなどその他の果物を含む農業、観光の分野に交流を拡大する方針を示した。

 台湾から日本へのバナナ輸出は1924年に始まり、ピーク時には輸出量が年間48万トンにも上った。しかし近年ではフィリピン産、エクアドル産に市場を奪われ、輸出量はわずか3,000トンにまで落ち込んでいる。

 農委会の胡忠一企画処長はバナナ産業について、「これまでは間違った戦略を採用していた」と述べ、今後は市場の需要を把握した上で計画的に生産を行い、仲買や小売業者を通さずに直接販売するなどで価格競争力を高め、日本市場でフィリピン産、エクアドル産に対抗していくと語った。