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台湾が旅行先ランク外に、中国政府のボイコット意図反映か


ニュース 商業・サービス 作成日:2016年7月19日_記事番号:T00065302

台湾が旅行先ランク外に、中国政府のボイコット意図反映か

 中国の旅行サイトがまとめた2016年夏季休暇の人気海外旅行先ランキングで、従来は上位に入っていた台湾が圏外になった。中国政府が7月20日で訪台旅行を全面禁止するとの市場観測が飛び交う中、交通部観光局は「そのような事実はない」と否定したが、台湾の旅行業界は、ランキング圏外は意図的なもので、中台間の民間交流にとって警告だとの認識を示した。19日付経済日報などが報じた。

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 中国人にとって7~8月は海外旅行のハイシーズンだ。中国の旅行サイトの調査によると、夏季休暇に海外旅行に出掛けるとの回答は59.3%を占め、延べ出境者数は昨年の3.2倍に上る。

 昨年のスカイスキャナー(中国名・天巡網)の検索結果の分析では、台湾は海外旅行先の中で首位だった。今年は驢媽媽旅遊網のランキングの上位10位は、▽タイ▽日本▽韓国▽フィリピン▽イタリア▽インドネシア▽米国▽英国▽フランス▽シンガポール──の順で、台湾の名前はなかった。同程旅遊の調査でも昨年7位だった台湾は圏外に去り、今年の上位10位は▽プーケット島(タイ)▽ボラカイ島(フィリピン)▽ソウル▽バリ島(インドネシア)▽東京▽バンコク▽ニャチャン(ベトナム)▽大阪▽香港▽済州島(韓国)──の順だった。

 台湾の旅行業界関係者は、台湾が圏外になることはあり得ないと指摘。中国の旅行サイトの統計は参考にすぎず、台湾を意図的に外したとの見方を示した。

「通達はない」=中国の旅行会社

 観光業界の対中窓口機関、台湾海峡両岸観光旅遊協会(台旅会)上海弁事処の李嘉斌主任は、7月20日で中国人の訪台旅行を全面禁止するとの情報はデマだと強調。こうしたデマで、中国人の間に「台湾に歓迎されていない」とネガティブなイメージが広がると懸念を示した。

 中国の旅行会社、中国旅行社と南湖国旅の広州支店の責任者は、中国人に訪台旅行を禁止する通達は出ておらず、台湾側のビザに相当する「台湾地区入出境許可証」(入台証)の申請も可能だと指摘。8~9月出発の台湾1周旅行ツアーも満員で、旅行業界に影響はないと話した。

 交通部観光局の統計によると、中国人の訪台旅行者数は4月、5月から減少傾向にあり、ツアー客は前年同期より3割減少、自由旅行者は1割減少した。5月の訪台旅行者数は延べ32万7,254人で前年同月比12.21%減、1~5月は183万8,415人で前年同期比5.72%増だった。

「中国人が来ないほど美しい」?

 こうした中、台湾のフェイスブック(FB)グループの「馬的報報(マイエンジェルニュース)」が6月末、台湾の美しい風景写真13枚に中国語、英語、日本語で「中国人が来なければ来ないほど、平和と美しさが見えてくるのだ」などの文言を入れ、交通部観光局は無償で使用可能などのコメントとともにアップロードした。中国のネットユーザーの反発を買う一方、台湾のネットユーザーからは、騒がしい人々がいなくなり静かでよいとの声も出ている。

【図】