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石油・化学
作成日:2008年4月2日_記事番号:T00006538
台湾中油、4月もガソリン価格凍結を継続
台湾中油は1日、4月もガソリンおよびディーゼル油の販売価格の凍結措置を継続すると発表した。台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)が先月末に凍結解除に踏み切ったため対応が注目されていたが、張俊雄行政院長の「台湾住民全体の利益を尊重する」という方針に従った。
中油の石油製品価格の凍結は昨年11月以来、6カ月に及ぶこととなった。各製品の1リットル当たりの価格は、▽オクタン価95ガソリン、30.7台湾元(約102.8円)▽オクタン価92ガソリン、30元▽オクタン価98ガソリン、32.2元▽ディーゼル油、27.5元──となっている。
中油によると、昨年9月以降の国際原油価格の上昇幅は34.84%に達しており、中油の今年の月別の赤字額は、▽1月、68億元▽2月、64億元▽3月、90億元──と拡大傾向にある。台塑石化の凍結解除を受けて、ガソリンを求めるドライバーらが中油のガソリンスタンド(GS)に殺到しており、中油は売れば売るほど赤字が膨らんで、4月は100億元の大台に達する見通しだ。中油は公営企業であるため、こうした事態に、「政府はガソリンを利用しない人も含めて、全住民に負担を押し付けている」という批判も出ている。
台塑石化のみが価格の凍結解除を行った事態を受けて、陳瑞隆経済部長は先月31日、行政院に対し中油の凍結解除を強く提言していた。なお、陳部長によると、台塑石化のGSの客が全員中油に移っても、中油はまだ37日分の安全な備蓄量があるとしている。