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ペッパー法人向けリース予約開始、5社が100台採用


ニュース 機械 作成日:2016年7月26日_記事番号:T00065438

ペッパー法人向けリース予約開始、5社が100台採用

 鴻海科技集団(フォックスコン)は25日、ソフトバンクのヒト型ロボット「Pepper(ペッパー)」の法人向けリース予約を開始した。傘下の通信キャリア、亜太電信(アジア・パシフィック・テレコム)や第一商業銀行(ファースト・コマーシャル・バンク)など5社が100台以上の採用を決めている。9月下旬に出荷し、月額リース料金2万6,888台湾元(約8万8,000円)、24カ月契約でペッパーが職場に「出勤」する。26日付工商時報などが報じた。

/date/2016/07/26/00pepper_2.jpgペッパーは現在、台湾語も勉強中だ(25日=中央社)

 ペッパーが海外で販売されるのは初めて。鴻海精密工業傘下の通信キャリア、亜太電信の呂芳銘董事長は、ペッパーの予約受付は100台を超えており、来年上半期は月間60台の出荷が目標と述べた。家庭用市場への参入については、まだタイムスケジュールはないが、サービスロボットの市場規模は従来から使用されている産業用ロボット市場規模を上回ると予測した。

 鴻海傘下でペッパーを台湾で独占販売する沛博科技(ペロボット)の林義勛総経理は、まず金融、小売り、健康、教育など法人をターゲットとすると説明。ペッパーは本体のメモリーやクラウドサービスのデータベースで2,000~3,000種類の商品知識を記憶できるため、例えば通信キャリアのショップで複雑な料金プランを案内できると語った。

 また林総経理は、日本は3年契約だが、台湾では3C(コンピューター、通信、家電)製品で多い2年契約の設定で、日台の価格差は大きくないと強調した。月額リース料金が最低賃金2万8元より高く、ヒトの仕事がロボットに奪われるとの声があることについて林総経理は、その可能性は低く、現金自動預払機(ATM)ができてもヒトの仕事はなくならなかったと反論した。

銀行や量販店40拠点に

 ペッパーは昨年末から展示していた亜太電信のほか、▽第一銀▽台新国際商業銀行(台新銀行)▽国泰人寿保険(キャセイライフ)▽家楽福(カルフール)──の導入が確定しており、年内に40拠点でお目見えする。

 第一銀は支店20店にペッパー20台を導入する。同行主管は、まずペッパーは来店客へのあいさつや、番号札の発券、順番の案内などを行い、データ蓄積が進めば、クレジットカードやローンなど各種金融商品の案内を行うと話した。

 その他金融各社も、ペッパーに店頭での接客や商品の説明だけでなく、さまざまな業務を命じる予定だが、企業秘密として詳細を明かしていない。

集客効果は限定的

 ペッパーは日本で1,000社以上の企業や店舗で採用されたが、発売から2年が過ぎ、集客効果が薄れている。沛博科技の林総経理は、確かにペッパーは当面、店舗の客寄せが武器で、歌やダンスだけでは数カ月しか効果が持続しないと語った。

 ソフトバンクや鴻海は、IBM、マイクロソフト(MS)、グーグルなどの提携パートナーと、カスタムメイドのパッケージ開発を進めている。例えば金融業では、接客、商品説明などのほか、情報収集、ビックデータ分析を行うことで、価値向上が見込める。

ASUSとエイサーは家庭用

 家庭用ロボット市場では、華碩電脳(ASUS)が今年のクリスマスシーズンにも家庭用ロボット「Zenbo(ゼンボ)」を発売する予定だ。販売価格は599米ドル。宏碁(エイサー)が出資するマサチューセッツ工科大学(MIT)研究室主導の「Jibo(ジーボ)」は10月に出荷開始予定。販売価格は749米ドル。