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中国鉄鋼企業の債務不履行、台湾系銀行に被害波及【表】


ニュース 金融 作成日:2016年7月29日_記事番号:T00065521

中国鉄鋼企業の債務不履行、台湾系銀行に被害波及【表】

 生産過剰とリストラに揺れる中国鉄鋼業界で債務不履行が相次ぎ、台湾系銀行にも被害が及び始めた。

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 29日付工商時報によると、天津鋼鉄集団に対する台湾系銀行5行の協調融資(シンジケートローン)は、最終償還分の4,750万米ドルが不履行となることが確定した。現在各行は期限を5年繰り延べすることに同意した段階だ。中国銀行業監督管理委員会(銀監会)上海銀監局は問題の債権を「注意債権」に分類するよう各行に求めた。

 問題の協調融資は、2013年に実施した9,500万米ドル規模の融資で、スタンダード・チャータード銀行、第一商業銀行(ファースト・コマーシャル・バンク)、彰化商業銀行、台湾中小企業銀行(台湾企銀、TBB)、中国信託商業銀行(CTBCバンク、中信銀)が参加しており、期間は3年間だった。

 台湾行政院金融監督管理委員会(金管会)によると、台湾系銀行の中国での不良債権比率は5月末現在で1%を超えた。業界関係者は「中国鉄鋼業界は生産能力の削減圧力を受けており、今後債務が正常に返済されるかどうかは未知数で、台湾系銀行の中国支店が抱える不発弾のようなものだ」と話した。

 金管会によると、中国企業に対する延滞債権が増え、台湾系銀行の中国支店は6月の税引き前損失が9億3,000万台湾元(約30億円)となり、中国進出以来最大となった。特に政府系銀行が6月に福斯特紡織に対する協調融資の不良債権7億8,000万元を転売したことなどが響いた。