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作成日:2008年4月3日_記事番号:T00006553
さすが芸術家?ペンキでお墓にカラフル創作
南投市の葬儀場に近い共同墓地で、最近出現したカラフルなお墓が話題になっている。一般のお墓がコンクリートで灰色なのに、このお墓は一面に赤や青、黄色や緑などの鮮やかなペンキが塗られ、一体何事かと人々を仰天させている。
このお墓は南投市在住の何季諾さん(53)の母親のもの。「鉄牛」のあだ名を持つ何さんは、水墨画や版画、陶芸などを得意とする芸術家。くずれた母親の墓をコンクリートで補修したものの、そのままでは補修の痕が残って見栄えが悪い。そこでひらめいたのが、ペンキでお墓に絵を描くことだった。
5人兄弟のうちで一番勉強ができなかった何さんだが、母親だけは彼の絵に対する興味を理解し支持してくれたという。太陽のように温かかった母親を懐かしむ気持ちを表現しようと、何さんはまず墓碑を汚さないよう新聞紙で覆い隠してから、ペンキを付けた絵筆を力一杯振った。ひと振り、またひと振りと墓石に向かって何層もペンキを塗りつけた結果、大胆な色遣いの抽象画が誕生。題して「旭日東昇(朝日が東から昇る)」。
ところが、このカラフルなお墓にびっくりした通行人が、「借金取りが取り立てのために墓にペンキを塗りたくって嫌がらせをしたのではないか」と通報。何さんは警察から事情聴収されるはめになってしまった。
しかし、墓前に線香をあげて手を合わせる何さんは、世間の目を気にせずに自分なりの方法で母親への思慕を表現することができ満足げ。息子の才能を信じていた何さんの母は、草葉の陰で喜んでいるに違いない。