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炎上観光バスの運転手、25人道連れに自殺の可能性も


ニュース 社会 作成日:2016年8月1日_記事番号:T00065562

炎上観光バスの運転手、25人道連れに自殺の可能性も

 先月19日、桃園国際空港近くの高速道路での、中国人観光客ら乗客乗員26人全員が死亡した観光バス炎上事故は、運転手の蘇明成(53歳、本名・蘇忠華)氏が乗客を道連れに自殺を図った可能性が浮上してきた。蘇氏は2013年に起こした婦女暴行事件で今年6月に懲役5年の二審判決を受けており、自暴自棄になっての犯行ではないかとの見方が出ている。蘇氏は生前、裁判について友人に不満を漏らしており、今回は判決後、最初に担当したツアーだった。31日付蘋果日報などが報じた。

 桃園地方法院検察署(地検署)によると、遺体を解剖したところ、蘇氏の血液から1デシリットル当たり215ミリグラム(mg、呼気に換算すると1リットル当り1.075mg)のアルコールが検出された。これはアルコール度数58度以上の高梁(コーリャン)酒を300cc以上飲んだ値に相当する。また運転席付近からガソリンの反応がでており、蘇氏が酩酊(めいてい)状態で運転していた上、人為的に放火した可能性もあるとの見方を示した。一方、ケーブルから出火した事故の可能性も排除できないとした。

 なお、高等法院(高裁)花蓮分院によると、蘇氏は13年10月、同じツアーの女性ガイドに性的暴行を加えて起訴され、今年6月の二審判決では懲役5年の一審判決が維持され、民事裁判でも90万台湾元(約290万円)の賠償金支払い判決を受けている。

 蘇氏は昨年8月に改名し、10月より今回事故を起こした玫瑰石通運で運転手として働き始めた。なぜ刑事・民事裁判で係争中の人物を採用したのかというメディアの質問に対し同社は、婦女暴行事件の事実は知らなかったと説明した。