ニュース 電子 作成日:2016年8月5日_記事番号:T00065654
中国の国有半導体大手の紫光集団、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)、聯想集団(レノボ)をはじめ27の半導体関連メーカーや最終製品メーカー、研究機関などが先月末、産業アライアンス「中国高端芯片連盟(HECA)」を設立した。中国政府による巨額支援で紅色供給網(レッドサプライチェーン)が勢力を増し、台湾は深刻な影響を受けると緊張感が高まる。一方、中国は半導体技術で台湾の協力を必要としており、中台提携で莫大(ばくだい)な中国商機の分け前にあずかれるとの見方もある。5日付工商時報が報じた。
HECAは7月31日、中国国家集成電路産業発展領導小組弁公室の指導で設立された。理事長は国家集成電路産業投資基金(大基金)の丁文武総経理、副理事長は紫光集団の趙偉国董事長。紫光集団、ファーウェイ、レノボのほか、紫光集団が武漢新芯集成電路製造を買収して7月26日に設立した長江存儲科技や、▽中芯国際集成電路製造(SMIC)▽中国電子信息産業集団(CEC)▽中興通訊(ZTE)▽清華大学▽北京大学▽中国科学院微電子研究所(IMECAS)▽工業信息部電信研究院(CAICT)──などから成る。
HECA設立の目的は、▽アーキテクチャ▽半導体チップ▽ソフトウエア▽最終製品▽システム▽IT(情報技術)サービス──の一貫したエコシステム(ビジネスの生態系)を構築し、中国IC産業に急速な成長をもたらすことだ。
中国のIC市場は世界の60%を占めるが、自給率は27%にすぎず、特にハイエンドICチップは海外からの輸入に依存している。このためHECAは特にハイエンドチップの研究開発(R&D)を進め、特許を保有して高い収益を上げることを目指すとみられている。
台湾メーカーを取り込み
中国メーカーは近年、大基金の支援を受けて、SMICが28ナノメートル製造プロセスへの移行を加速。江蘇長電科技はシンガポールのスタッツチップパックを買収した。福建省政府は泉州市にDRAM工場を設立し、聯華電子(UMC)と製造技術を共同開発する。
中国メーカーは資金力だけでは充実したサプライチェーンを構築できず、台湾メーカーとの協力がビジネスを最も迅速に進める方法だと理解している。紫光集団が設立した長江存儲は、南亜科技(ナンヤ・テクノロジー)の前総経理、高啓全氏が背後で主導しているとみられている。ただ、紫光集団による台湾パッケージング・テスティング(封止・検査)大手、矽品精密工業(SPIL)の買収は頓挫した。
ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は先月、南京市で12インチウエハー工場に着工した。TSMCの単独出資だが、現地の関連メーカーのエコシステム構築にも貢献する見込みだ。
【表】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722