友達光電(AUO)は2日、「LEDプロジェクト室」の設置を発表した。蘇峰正資深副総経理を事業のトップに据え、上流エピタキシー、下流パッケージング分野を開拓する。友達が欧州や日本の発光ダイオード(LED)メーカーのライセンスを獲得すれば、約100億台湾元(約340億円)の資金を100台規模のMOVCD装置購入に充て、上流市場を攻略するという見方も業界内で出ている。3日付工商時報が報じた。
業界ではまた、上流エピタキシーは難度が高いため直ちには行わず、このためエピウエハーメーカーへの影響は小さい一方、LEDパッケージングへの進出は、既存業者の中長期の粗利益率と利益に影響するという観測も出ている。
友達のこれまでのLED分野への展開は子会社中心で、傘下の冷陰極蛍光ランプ(CCFL)メーカー、威力盟(ウェリーパワー)がLEDパッケージングに進出するほか、LEDパッケージングの凱鼎科技(ライトハウス・テクノロジー)に出資していた。
あるLEDパッケージングメーカーは友達本社のLED分野への進出について、「予想されていたことで意外ではない。友達の目的は、LED灯管のコスト構造を把握し、供給メーカーの価格をコントロールしようということなのだ」と語った。
このほか、友達は2010年以降にノートブック型パソコン用バックライトへのLED採用率が5割以上に達した段階で、LED事業進出のコストメリットを得られ、既存のLEDパッケージングメーカーの粗利益率が低下するという見方もなされている。