ニュース 社会 作成日:2016年8月11日_記事番号:T00065783
台北市立動物園で飼育されていたキリンの「宵久」(オス)が10日、新竹県の六福村野生動物公園にいるメスのキリンとのカップリングのため、移送しようとしたところ、突然体調不良を起こし、そのまま死んだ。同園で移送中に動物が死んだケースは2003年以降で3例目。園側に不手際があったのではないかと疑問の声が上がっている。
生前の「宵久」。キリンの平均寿命は28~30歳といわれており、7歳での死はあまりにも早かった(10日=中央社)
現在、台北市立動物園で飼育されているキリンはオス3頭、メス2頭の計5頭だが、全て同じ血筋を持っているため、近親交配により健康に問題が生じることを避けるため、宵久と六福村野生動物公園のメス、「ジェニー」とのカップリングが計画された。
ジェニーと交配させるため、宵久を特製のコンテナに入れ、トラックに乗せて新竹へ向かうことが決まった。宵久は非常に神経質な性格のため、今年2月に飼育スペースの隣にコンテナを運び込んで慣れさせるなど、万全の準備を進め、ようやく移送当日を迎えた。
移送作業は10日の午前0時半に開始され、スタッフが1時間半をかけて宵久が入ったコンテナをトラックに積み込んだ後、ゆっくりとしたスピードで出発した。
なおキリンは普段、ほとんど座らない動物のため、移送の際も立ったままの姿勢が保てるよう高度のあるコンテナが用意されたが、宵久はトラックがわずか200メートルほど進んだところで座り込んでしまった。異常発生が懸念されたが、宵久が立ち上がったため、続行可能と判断してそのままトラックを走行させたが、15分ほどで再び座り込み、今度は立てなくなってしまったため、移送計画は中止された。
獣医による診察の結果、宵久のバイタルサイン(生命徴候)は安定しており、骨折などのけがも発見されなかったが、そのわずか5分後に容体が急変し、午前7時半ごろに息を引き取った。解剖の結果、宵久は急性肺炎を患っていたことが判明。これに移送の緊張が加わって呼吸困難に陥ったことが死因とみられている。
宵久の死を受けて動物園側に対し、▽なぜ肺炎が発見できなかったのか▽なぜ移送にリスクの高い成獣をカップリングの対象に選んだのか▽なぜ暑さの厳しい夏に移送しようとしたのか──といった疑問が指摘されている。
これに対し園側は、▽キリンなどの大型動物に肺炎の発見に必要なレントゲン検査を行うことは困難▽3頭のオスのうち1頭は生後5カ月と小さい上、宵久がメスを奪い合う行動を見せていたため交配の対象に選んだ▽暑さを考慮して深夜に作業を行った──と説明している。
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