ニュース 社会 作成日:2016年8月17日_記事番号:T00065887
日本統治時代に料亭として建てられ、現在は古跡に指定されている台北市の文化施設「紀州庵・文学森林」で、9月よりバーチャルリアリティー(VR)技術を活用したガイドサービスが提供される。参観者は自身のスマートフォンと施設が提供する装置を使用し、芸妓(げいぎ)が歌や舞を披露する当時の宴席の様子をその場にいるかのように体験できるという。
昔の様子を立体的に再現できるのはVR技術ならでは。台湾の日本統治時代を体験しに、紀州庵に足を運んでみるのもよいかもしれない(12日=中央社)
紀州庵はもともと和歌山県出身の平松家が西門町南側に開業した料亭で、1917年に現在の台北都市交通システム(MRT)古亭駅近くを流れる新店渓のほとりに2階建ての支店を開設。さらに27~28年に3階建てに改築され、さらに別館と離れが増築された。現存し、古跡に指定されているのはこのうちの離れの部分だ。
この紀州庵は当時、料亭以外に屋台船も運営しており、大勢の遊客でにぎわったとされる。しかし戦後、建物が国民党政府に接収されて公務員宿舎として使用されるようになり、さらにここから小説家の王文興など多くの文学者が輩出されたことから、周辺エリアは出版社と作家の自宅が集まる「文学の町」として発展を遂げた。
その後、歴史的、文化的に重要なこの建物を保存しようと訴える運動が周辺住民の間で始まり、2004年に台北市が古跡に認定。現在は建物の歴史に関する展示が行われているほか、喫茶店、書店を開設、各種文化イベントの開催拠点としても利用されている。
今回、VR技術によって再現される料亭時代の光景には、和服姿で廊下を行き来する仲居さん、広間に御膳を並べて食事を楽しむ宴会客の前で舞を披露する芸妓さんなどが登場するそうだ。
なお同ガイドサービスは3~12人の団体向けで、VR体験のほか紀州庵にまつわる歴史の紹介などを含めて40~50分のコースで、メールによる事前予約が必要だ。3人に付き1台のVR装置が500台湾元で貸し出されるほか、1,000元のガイド料が別途かかる。
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