ニュース 金融 作成日:2016年8月18日_記事番号:T00065902
中国信託金融控股(中信金、CTBCフィナンシャル・ホールディング)が来年6月に行う役員改選を控え、潤泰集団(ルンテックスグループ)の尹衍樑(サミュエル・イン)総裁が中信金の株式を買い増しており、大株主の辜氏一族と経営主導権を争うのではないかとの観測が高まっている。18日付工商時報が伝えた。
尹総裁は今年3月に設立した鑒機資産管理を通じ、中信金の株式2%以上を取得したほか、傘下の投資会社8社を通じ、中信金株を買い進めており、来年の役員改選で辜氏一族から一気に経営権を奪取するかどうか注目されている。
尹総裁は南山人寿保険の大株主でもあり、中信金の経営権獲得は中信金と南山人寿の経営統合を図り、台湾最大の金融グループを形成する布石ではないかとの見方も浮上している。
尹総裁による中信金株式取得は、鑒機資産管理が主導。同社は資本金を当初の40億台湾元(約130億円)から80億元に増資。今月10日には200億元へと再増資を行い、十分な資金を確保。中信金への持ち株比率は既に2.124%となり、5位株主に浮上した。当面は中信金の株式を30%以上獲得するのが目標とみられている。
また、尹総裁陣営には兆豊金融控股(メガ・フィナンシャル・ホールディング)の蔡友才前董事長、宝佳機構の林陳海董事長も加わったとされる。
経営権を死守したい大株主、辜仲諒氏は戦々恐々としており、中信金の呉一揆総経理が証券各社を回り、来年の役員改選に当たり、委任状獲得に協力を呼び掛けているという。
経営権奪取に関門
尹総裁が中信金の経営権を奪取するには、さまざまな関門が待ち構えている。
まず、金融持ち株会社法の規定に従い、尹総裁陣営の合計持ち株比率(関係人持ち分)が10%、25%に達した時点で、大企業の適格性、資金運用目的に関する審査の対象となる点。さらに、中信金側にも十分な資金力があるため、株式の取得合戦がエスカレートしかねない。また、辜一族は団結し、株主総会で委任状確保に向けた総動員をかけるとみられるほか、辜仲諒氏と並ぶ辜家三兄弟の辜仲瑩氏(中華開発金控)、辜仲立氏(中租集団)が一致して対抗した場合、尹総裁陣営にとっては大きな壁となる。
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